こんにちは。きらんです。
最近は寒暖差が激しくて大変ですね。皆さんどうお過ごしでしょうか。
私は風邪予防と健康管理のために「R-1」を飲み始めました。
1日目にて早速おなかを壊し、いきなりその存続が危ぶまれたR-1生活ですが、一応今でも無事に続いております。これからも続けていきたいです。
さて、本題に入っていきましょう。今回の記事は、「Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~」横浜公演DAY.1の記事の第3部です。
今回で完結です。果たして最初から全部読んでくれている方はいるのかしら。
上から第1部・第2部の記事のリンクになります。
こちらの記事で話されたことを念頭に置いて語る場面もありますので(特に第2部)、よろしければリンク先の記事の方もよろしくお願いいたします。
①セットリストと2nd LoveLive!の構成(復復習)
早速本編の内容に入っていきたいと思います。
01.GOING UP
02.Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!
~ MC①&コーレス~
03.What a Wonderful Dream!!
04.1.2.3!(かのん・すみれ・恋)
05.水色のSunday
06.Flyer's High
07.だから僕らは鳴らすんだ!
~ MC② ~
08.HOT PASSION!!
09.常夏☆サンシャイン
10.Till Sunrise
11.青空を待ってる
12.微熱のワルツ
13.Tiny Stars
14.みてろ!
15.ノンフィクション!!
16.Day1
~ MC③ (Sunny Passionに交代)~
~ アニメダイジェスト ~
17.私のSymphony ~Liella! Ver.~
18.始まりは君の空
~ MC④ ~
19.Dream Rainbow
~ アンコール & 幕間アニメ ~
EN1.START!! True dreams
EN2.Dreaming Energy
~ MC⑤ ~
EN3.ユニゾン
こちらは第1部・第2部でも紹介した横浜公演DAY.1のセットリストです。
私は、このライブのセットリストは、テーマの異なる3つのパートで構成されているように感じました。
1st LoveLive!を経て強くなったLiella!が、その実力と更なる高みを目指す意欲を見せつける「飛躍のLiella!」パート。
アニメラブライブ!スーパースター!!1期の内容を、1st LoveLive!とは異なる形で再演した「追憶のLiella!」パート。
アニメのストーリーを経て成長したLiella!が夢に向かって一歩を踏み出す”その先の物語”「有明のLiella!」パート。
今回の記事では、この3つのパートに区切って感想や考察を述べさせていただこうと思います。
第1部では「飛躍のLiella!」パート、第2部では「追憶のLiella!」パートについてお話させていただきました。第3部は「有明のLiella!」パートについて。
③【Part3】有明のLiella!
☆有明のLiella!
「飛躍」「追憶」のパートでは主に感想を語ってまいりましたが、ここ「有明」のパートは考察メインでお届けしていこうと思います。
おそらくきらん節全開の、読んでいて大変疲れる文章に仕上がっているであろうと思われます。コーヒーでもキメながらまったり読み進めていただけると嬉しいです。
前回、前々回と繰り返しお話している内容ではありますが、この2nd LoveLive!は「12話終了時点の視座からアニメ1期の物語を振り返りつつ、その先の物語を形作っていくライブ」です。
「有明のLiella!」パートはこのテーマにおける「その先の物語を形作っていく」パートにあたります。
「その先の物語」ってなんやねんって話ですよね。ライブの中でアニメの続きを描写することはちょっと難しい。
ですが、今後の展開のヒントを描き出すことはできるのではないかと思うのです。
今回のライブのサブタイトルが「What a Wonderful Dream!!」ということで、「夢」というワードにフォーカスして「有明のLiella!」の楽曲群につながりを見出していこうと思います。
今後、Liella!の夢はどのような軌道を描いてゆくのでしょうか?
◇「有明」を定義する。
考察に先立ちましてひとつ質問です。「有明」と聞いて一番最初に思いつく意味はなんですか?
ラブライバーに一番身近な「有明」といえば虹ヶ咲の聖地である臨海副都心の地名でしょう。次に出てくるのは海苔の名産地である九州の地名といったところですかね。
地名以外の意味が即座に出てくる人はなかなかいないのではないでしょうか。
実は「有明」には「日の出・夜明け」という意味もあるのです。
このパートの名前に込めた意味、それはその名の通り「夜明けのLiella!」。
このパートでは、暗い夜を越えたLiella!が、この先どのような夢のカタチを描いていくのかが示されていると考えています。
この記事の考察の流れは以下の通りです。
①ラブライブ!スーパースター!!の物語において「有明」が意味するものを定義。
②「有明」前後(つまり夜や朝)にラブライブ!スーパースター!!の物語で何が起きたのかを汲み取り、大まかな時系列を設定。
③Liella!にとって「有明」とはいったいどのようなタイミングであったか結論付け。
...いや、2nd LoveLive!全然関係ないじゃん!!!という読者さんの心の声が聞こえてくるようです。あるんだな、それが。
まず①。「有明」の定義です。
一見難解に思えるこのミッションですが、要するにスーパースター!!の作品から「日の出・夜明け要素」を探せばいいだけです。MVに壮大な日の出要素のある楽曲を皆さんは知っていますね?
そう、「始まりは君の空」です。
この考察では、この楽曲の時系列を「有明」に設定させていただきます。
これにより、時間軸の観点からみると「有明」=「始まりは君の空」の等式が成り立つというわけです。ステップ①は以上で完了。
次に②の考察に入っていきましょう。「有明」を迎える前の夜、ラブライブ!スーパースター!!の物語にはどのような動きがあったのでしょうか?
物語で大きな動きがあるのは決まって挿入歌の前後。なので、挿入歌のMVにスポットライトを当ててみていくのがよさそうです。
MVを見る感じ、夜間に披露されている楽曲は「Tiny Stars」と「Starlight Prologue」の2つ。「始まりは君の空」は5人で披露されており、まだメンバーがクーとカーだけの頃に披露された「Tiny Stars」が直前に来るのは考えにくいですね。
よって消去法で「Starlight Prologue」が「有明」前の夜の出来事として的確であるということになります。
次に「有明」後の朝の出来事を定義していきましょう。
「Starlight Prologue」がアニメ1期の最終話で披露された楽曲である以上、時系列上「Starlight Prologue以後に披露されている」と断定できる楽曲は現状ありません。
ただ、MVがついていてかつ「時系列不明」の楽曲がいくつかありますね。
アニメ1期OPテーマ「START!! True dreams」。
アニメ1期EDテーマ「未来は風のように」。
先程「有明」の楽曲であると定義させていただいた「始まりは君の空」。
そして、
2nd LoveLive! のテーマソング「What a Wonderful Dream!!」。
この楽曲は朝方に披露されていますね。ビンゴです。
よって、「有明」前後の時系列を簡単にまとめると「Starlight Prologue(夜間)」→「始まりは君の空(有明)」→「What a Wonderful Dream!!(朝方)」となります。
本記事では、この時系列を前提として考察を進めさせていただきます。
◇Starlinesは有明まで。
ここらでちょっと寄り道。「Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~」のお話をさせていただきます。
First LoveLive! Tourは追加公演がありましたね。その開催地名表記がどうなっていたか、覚えている方はいらっしゃいますか?
正解は「有明」です。
いちいちそんなん覚えとらんわ!って方も多いと思います。が、僕はめちゃくちゃ覚えてました。
記憶力を自慢しているのではありません。ただ、腑に落ちなかったのです。
他の開催地名の表記は、もれなくすべて都道府県名。たかが一地区の名前に過ぎない「有明」が、どうして都道府県と肩を並べてそこにいるんだよって思っちゃったんですよね。
こういうの気にしちゃうタイプの人間でして。いや、「Tokyo EX」でええやないかと。
P.S.メモチケではばっちり「Tokyo EX」表記
こういう何かあるべき姿から外れたものを見かけると、どうしてもそこに意味を見出したくなってしまうのがオタクの性。
2nd LoveLive!を終えて改めてこの公演を振り返ることで、そこに横たわる”意味”に少し近づけたような気がするので、この場を借りてお話させていただこうと思います。
ずばり、First LoveLive! Tourの最後の公演である追加公演の開催地表記が「有明」であったことには、「Starlinesは有明まで」であることを示す意味合いがあるのではないかと考えます。
この言葉には二つの意味があるのですが、それについてはおいおいお話させていただきます。とりあえずこのフレーズの語感を覚えておいていただければ。
18:始まりは君の空
長々とお話してまいりましたが、ようやくセトリの解剖作業に入っていきます。ここからが本番です。トイレ休憩はお済みでしょうか?
今回着目していく歌詞は、サビのこの部分。
空に描くのは
どんな どんな 夢か教えて
この歌詞から読み取るに、どうやら「空に描いているもの」は「夢」であるようです。
それでは「空に描く」とは具体的にどうやったら可能なのでしょうか。地上からみた空は二次元的に広がっているため、「線」をつなぐ手段さえあれば「描く」ことはできそうですね。
よって、「空に線を描くこと」=「夢を描くこと」と言えますね。
まずば夜空について、「線」を描く手段に何があるか考えていきましょう。私がパッと思いついたのは「星座」と「流れ星」。
他にもいろいろ考えられそうですが、その大半の「線」は「星を結ぶ」ことによって生まれるのではないでしょうか?
「小さな星たちが集まって線になっていくようで...!」(伊達さゆりさん)
「流れ星!!!5つの星がキラキラ~って飛び回っているみたい☆彡」(岬なこさん)
「名前から真っ先に星でできた道を思い浮かべました。」(ペイトン尚未さん)
Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~ パンフレットより
キャストさん方が挙げているのはそれぞれ「星結び」の生成物であると言えます。これらは「ツアータイトル”Starlines”から連想することは?」という質問からもたらされた回答であり、「Starlines」の一つの定義であると言えそうです。
ここでは、「星結び」によって描き出された「線(=夢)」を、総じて「Starlines」と呼ぶことにします。
ここまでの内容をまとめると、「夢を描くこと」=「Starlinesを描くこと」。
しかしながら、「Starlines」で夢を描くことには限界があります。なぜなら、
夜が明けると星が見えなくなってしまうからです。
夢が消えてしまう前に、「線」をつなぐ別の方法を考える必要がありそうですね。日の昇っている空に「線」を描くにはどうすればよいのでしょうか?
私は、二つの方法があると考えます。それは、
行けるよ だって君がいっしょだから
虹がほら 大空に広がってゆく (Dream Rainbow)
虹と
まっすぐな飛行機雲
遠い場所へと続いてる (Dreaming Energy)
飛行機雲です。
奇しくも「有明のLiella!」のセットリストに関連の強い「線」たちですね。順を追ってみていきましょう。
19:Dream Rainbow
まずはじめに「虹」の成り立ちについてお話していきたいと思います。
「虹」はさまざまな「色」がひとつにまとまった「線」であるわけですが、「十人十色」なんて言葉があるように、「色」は「個性」としての意味合いを有します。
多様な「色(=個性)」が混ざり合って同一の「線(=夢)」を形成する、そんな「虹」の在り方は、ラブライブ!シリーズに共通するテーマである「みんなで叶える物語」を連想させますね。
対する「Starlines」はと言いますと、他の「線」と重なることはあれど、同化することなくそれぞれの「色」を主張する性質を持っています。
複数の星座の一部が全く同じ星を結んでいようが、それぞれの星座は別物ですよね。複数の流れ星が全く同じ軌道を辿ろうが、それらが同じ流れ星であるはずありません。
このような「Starlines」の在り方は、ラブライブ!スーパースター!!に特有のテーマである「私を叶える物語」を体現していると言えそうです。
これらを踏まえると、「Starlines」から「虹」へとつながっていくということは、Liella!の各メンバーの在り方が「私を叶える物語」から「みんなで叶える物語」へとシフトしていくということであると考えることができます。
では、このシフトはいったいいつ行われたのでしょうか?私は、この歌詞が歌われたタイミングであると思います。
始まりたい僕の夢
君へ伝えよう 聞いて 聞いてほしくなったよ (始まりは君の空)
私は先程「始まりは君の空」の時系列は「Starlight Prologue」以後であると定義しました。ということは、ここでの「始まりたい僕の夢」にあたるものはこれしかありませんね。
「私たちの歌で、Liella!の歌で、結ヶ丘の歌で優勝したい!...いや、優勝しよう!」
「始まりは君の空」の該当歌詞により、「ラブライブ優勝」という目標がLiella!の「夢」として定義・共有されることで、「Starlines」は「虹」へとつながっていくわけです。
箸休めにifの話題を少々。
「Starlines」は日が昇ると見えなくなる、という話をしました。これってアニメの物語に当てはめるとどの場面のことを示していると思いますか?
「みんなは優勝だ!勝ったら全国だ!とか言うんですけど、私は歌で勝ったり負けたりってのはあんまり...。」
「でも私、ずっと歌えないかもって不安があったから、自由に表現できるだけでもう、本当はそれだけで幸せで...。」
ここかなぁ。
この場面には、「私を叶える物語」の達成に満足し、「みんなで叶える物語」のフェイズへの移行をためらう、そんな澁谷かのんさんの様子が描かれています。
もし、学校のみんなや街の人たちがLiella!に協力的でなかったとすれば。Liella!の「虹」がかかることは、ついになかったのかもしれませんね。
さて、「Starlines」として夜空に描かれた夢は、「有明」にて「虹」となり大空に広がっていきます。
『星の軌道は虹を描く。』ここにきてようやくタイトルの回収です。
「What a Wonderful Dream!!」のMVより。
Liella!の夢の虹、無事につながっているようでなによりですね。
先程「Starlinesは有明まで」という話をさせていただきましたが、ここまで話してきた内容はこの言葉で説明することができるんですよね。
「Starlinesは有明まで」の意味その①は、「夢の線」としての「Starlines」が「有明」、つまり「始まりは君の空」までということ。
すなわち「Starlines(=私を叶える物語)」は「始まりは君の空」を結節点として「虹(=みんなで叶える物語)」に切り替わる、ということです。
そういえば、肝心の「Dream Rainbow」の内容のお話がまだでしたね。軽く解説していきたいと思います。
私は、2nd LoveLive!の「Dream Rainbow」は「始まりは君の空」のアンサーとしての楽曲なのではないかと考えています。
根拠となる歌詞はこちら。
空に描くのは
どんな どんな 夢か教えて
空に指先で弧を描くのさ
浮びあがるよ Dream Rainbow
最初の方は今回の考察の起点となっている「始まりは君の空」の歌詞。そして、後者が「Dream Rainbow」の歌詞です。身も蓋もないことを言うと、意識されているとしか思えなくないですか???
一応理論的裏付けがないことはないです。「Starlinesは有明まで」の意味②のお話になります。
「Starlines」を素直に「Liella! First LoveLive! Tour」の事と捉えると、この言葉は「Liella! First LoveLive! Tour」は「始まりは君の空」まで、と受け取ることができます。これは、
「始まりは君の空までは1st LoveLive! Tourで描かれている物語」ということであり、
「始まりは君の空以降は2nd LoveLive!が新たに紡ぎ出す物語」ということです。
2nd LoveLive!において「始まりは君の空以降」とは「Dream Rainbow」を起点とした楽曲群。
これらの楽曲群は、「新たに紡ぎ出す物語」という都合上、「追憶」ではなく「追体験」であり、セットリストは時系列通りであると言えます(こちらの理論の詳細は「追憶」パート参照)。
このような性質をもつ楽曲群を勝手に「有明のLiella!」パートと命名し、ここまで考察を繰り広げてきたわけですね。
(この理論に則ると「始まりは君の空」は1st LoveLive! Tourで”描かれ済”であり、「追憶」パートに属するのが適切なんですよね。実際私も「追憶」寄りだなとは思っているのですが、必要な前提条件を示す必要がある以上「有明」に配置させていただきました。あんまり違和感抱かずに見ていただけると嬉しいです。)
何が言いたいかって、ここでの「Dream Rainbow」は明確に「始まりは君の空」よりあとの楽曲ということです。それでいて「始まりは君の空」の直後である可能性が高い。
ここまで時系列の関係性が決定してしまえば、「Dream Rainbow」が「始まりは君の空」のアンサーである、という論調に違和感はないでしょう。
ドリレイは君空のアンサー説証明完了、これにて一件落着...とはいきません。じゃあFirst LoveLive! Tourで披露されたドリレイはいったいなんだったんだよ、という話になってきますね。
私なりの回答を申し上げますと、First LoveLive! Tourのドリレイは完全に1期11話の曲です。どっちも間違ってません。
「Dream Rainbow」の大きな特徴の一つに「抽象性」があります。この楽曲は、如何様にも捉えられるような抽象的な歌詞の連続なのです。
心がはじけて飛んだ なんでだろう?
走ってみなくちゃ分からない
たとえばこの歌詞。「心がはじけて飛んだ」って、いったいどのような感情だと思いますか?
ちなみに私は全然わかりません。前向きにも後ろ向きにも受け取ることができるフレーズですよね。
この楽曲には、ガチガチに凝り固まった解釈の正解は存在しません。背景次第でさまざまな色を見せてくれる、まさに虹のような楽曲です。
なので、First LoveLive! Tourのドリレイは11話の楽曲で、2nd LoveLive!のドリレイは君空のアンサー、なんていう二面性が成り立ってしまうんです。
でも、これらの区別って時にややこしいですよね。そこでライブでは、これらのドリレイに明確な判断基準を設けてくれました。
それが、冒頭歌唱「ラララ」の有無。
冒頭歌唱は、我々の中で「Dream Rainbow」と「1期11話」を結び付けている最大の要素と言えます。2nd LoveLive!では、この冒頭歌唱を省略することで、型に外れた我々の自由な解釈を実現していたのです。
20:START!! True dreams
さて、「Starlines」が「虹」へとつながって、もう「空に描く」うえで障壁はありません。
「本当の夢はとまらない」というわけです。
本当の夢は とまらないんだね
いま心が駆け出すんだ
今回の「START!! True dreams」は幕間映像の流れから。幕間映像には、ラブライブ優勝への決意を示す彼女たちの姿が描かれていました。
舞台である神宮競技場は彼女たちの夢の舞台。このタイミングで「START!! True dreams」が披露されたことには、「本当の願いに気づいた もうとまらない」という夢への強い意志が示されているのではないかと考えます。
本当の願いに気づいた もうとまらない
いま心が駆け出すんだ
いま全力で駆け出すんだ
ただ、彼女らにはまだ神宮競技場に立つ権利は与えられていません。空想の中で描いた「夢のステージ」と解釈するのが正しいでしょうか。
MVには気になる点が。日の昇っている空に「線」をつなぐもう一つの方法である「飛行機雲」が、ステージ上に5本伸びています。
神宮競技場のモチーフは東京オリンピックの開催地、国立競技場。
このMVの飛行機雲の演出は、オリンピックの開会式でのブルーインパルスのパフォーマンスを意識していると考えられます。
「飛行機雲」がどのような特徴をもった「線」なのか、次の項で詳しく見ていきましょう。
21:Dreaming Energy
虹は「自然と空にかかるもの」というイメージが強いですが、同時に「我々が自分の手でつくることができるもの」でもあります。
(名古屋公演でお世話になった日本ガイシさんのサイトをたまたま見つけたのでご紹介。)
「虹」は自らの意思で描いていける「線」であり、星の見えない空に夢をつなげていくメインの方法となりえるのです。対する「飛行機雲」はどうなのでしょうか。
突然ですがみなさんに質問です。パイロットにとって、彼らの操縦する飛行機が描く「飛行機雲」はどんな意味のあるものだと思いますか?
私は、きっと意味なんてないものなんだろうと思います。なぜなら、飛行機の軌道に浮かび上がる飛行機雲をパイロット自らが見ることはできないから。
パイロットにとっての「飛行機雲」は、自ら描いたものであると同時に、認識の外にある無意識・無意義なものでしかないのです。
常に語りには認識が先立つものです。「夢」についてもまた然り、認識していないものを語ることはできません。
「語りには認識が先立つ」の例を挙げるとすれば、かの有名な「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」なんて台詞がぴったりかもしれませんね。
自らの意思で描くものではなく、それを語ることはできない。「飛行機雲」がもつこれらの特徴は、「夢の線」として致命的ですよね。
それゆえに「飛行機雲」は夢をつなげていくメインの方法にはなりえません。
ですが、地上から空を眺める我々の視点からなら、誰かの描いた飛行機雲をはっきりと観測することができますよね。
描いた当人が認識できないというだけで、「飛行機雲」は確かにそこにあるのです。
「あなたたちってまだ始まったばかりというか、まだ真っ白っていうのかな...」
こちらは、「Dreaming Energy」が挿入歌として起用された1期9話において、かのんがグループ名を思いつくきっかけとなった台詞です。
この台詞に本来「グループ名発案のヒント」としての意味合いはありません。なんなら「ぽまえらのグループ名全く思いつかんが???」なんていう真逆の意味合いをもって放たれた言葉なわけです。
しかしながら、これを受け取ったかのんは強烈にインスパイアされ、結果「Liella!」というグループ名の考案にこぎつけます。
この事例からわかることは、他人が描いた「飛行機雲」がたまたまそこにあって、それが自らが描いている「夢の線」と同じ方向にまっすぐ伸びているとすれば。
私たちはその軌道に便乗することで、「夢」に向かって大きく前進することができるということです。
これが「飛行機雲」。「無意識」「偶然」「触発」の線なのです。
何かが起こりそうなんだ
だんだん駆け足になってしまうね
君と偶然 出会っちゃいそうだよ
何かが起こりそうだから
どんどん試そうよ新しいことを
君と挑戦したいな たくさん!
☆ユニゾン
最後にちょびっとだけこの楽曲のお話を。
セトリの一覧に戻っていただければわかると思うのですが、この楽曲は「飛躍」「追憶」「有明」のいずれのパートにも属していません。
なぜなら、この楽曲の物語的文脈がわからなかったから。まだ始まったばかりのLiella!が「終わり」の歌を歌うのか、ピンとこなかったんですよね。
でも、突如発表されたLiella!の新メンバーの情報を見て、ようやく理解しました。
これは「5人の季節の終わりの歌」なんだろうなって。
情けないことに、私は横浜公演・名古屋公演と、この楽曲の魅力を100%受け取ることができぬままこの記事を書いています。
でも、きっと今度は受け取れると信じてる。来たる大阪の舞台にて、この楽曲が語る終わりと始まりの、その全てを見届けてまいります。
あともう少しでまた会えるね!
◎あとがき。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
3つの記事にわたって2nd LoveLive!の感想・考察をお届けしてまいりました。いや~、言いたいこと全部言えてスッキリといったところです。
今後またMTV・2nd大阪・3週連続ファンミも控えてるので、当分はライブレポラッシュになる予感。楽しみが止まらない。
今後もマイペースに更新していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
またね~!