きらんのShooting Voice!!

ちょっと胸おどる素敵なこと なにかあるたび書きとめておくの。

Liella!の「みんなで叶える物語」

こんにちは。きらんです。

先日YouTubeにて公開された「Road to Twinkle Triangle」では、Liella! 5th LoveLive!における5人時代・9人時代の楽曲のリバイバルが示唆されましたね。

こうやってセトリ仄めかしてくれるのありがたいね。こっちとしても相応の準備ができるというものです。

というわけで、披露される可能性が高いであろう1期・2期のアニメ挿入歌12曲すべてについて記事を書くことにしました。今回の記事はその第6弾、取り上げる楽曲は「Starlight Prologue」です。

一緒に該当楽曲たちの素敵さを再確認し、5th LoveLive!への機運を高めてまいりましょう。よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

①夢の色は変わりゆく

私が1期12話で最も好きなポイントは「みんなで叶える物語」の描き出し方にあります。

Liella!の1期生はそれぞれ自身の夢を、「私を叶える物語」を持っており、それを叶えるための手段としてスクールアイドルを、一応の場所としてLiella!を選び、ここまで駆けてきました。

これまでの挿入歌5曲は、それぞれその始まりのタイミング、ないしはそれが結ばれたタイミングに対応しています。「未来予報ハレルヤ!」と「私のSymphony」は澁谷かのんさんの。「Tiny Stars」は唐可可さん(と澁谷かのんさん)の。「常夏☆サンシャイン」は嵐千砂都さんの。「Wish Song」は葉月恋さんの。「ノンフィクション!!」は平安名すみれさんの。各々の「私を叶える物語」のテーマソングかのように挿入歌が登場しています。

だから、1期12話に至るまでの物語のメインテーマはずっと「私を叶える物語」だったんですよね。

でも、物語を通して、あくまで手段だったはずのスクールアイドルが、一応の場所であったはずのLiella!が、各々の中で大切になっていって。

そんなそれぞれの想いが結ばれて、12話でラブライブ!優勝に向かって決起することで彼女らなりの「みんなで叶える物語」が共有される物語の流れがめちゃくちゃ好きです。

「Starlight Prologue」はLiella!の「みんなで叶える物語」のPrologueなんですよね。

Looling for light

いま動き始めた僕らの物語

どんな奇跡だって起こすのさ

②「Starlight Prologue」が私たちに伝えたいコト

ラブライブ!シリーズは総じて面白いだけじゃない、なんらかのメッセージ性を伴った作品群であると言えます。”虹ヶ咲”を除くシリーズの主人公グループはスクールアイドルの全国大会である「ラブライブ!」という夢の舞台を目指しますが、限られた時間の中で目標に向けて努力を重ねる彼女らの在り方からは、いつだって私たちが夢に向き合っていくためのヒントを受け取ることができます。

※補足いたしますと、ここでは除外した「虹ヶ咲」においても、ラブライブ!への出場とは違った形で私たちにメッセージが届けられており、「作品からの学び」を求める人にとって一見の価値ある作品であると断言できます。

そんな中でも、私はラブライブ!スーパースター!!を「シリーズ中でも特にメッセージ性が強い作品」であると評価しています

その根拠は”「私を叶える物語」という登場人物一人一人の夢に寄り添った概念を軸に据えた物語であること”、そして”登場人物の挫折・迷いによる成長が高頻度で描かれる作品であること”です。

前者については説明不要だと思うので置いといて、後者について語ると、挫折・迷いは夢を追いかけるうえでどうしても付きまとうものです。それに作品なりの回答を付随させることは、それを受け取った我々が同じ事態に直面した際の選択肢を増やすことに直結します。ゆえにその機会が多ければ多いほど、こちらの受け取れるメッセージの総量も増えていくと言えます。

Liella!の「みんなで叶える物語」の始まりの楽曲である「Starlight Prologue」にも、きっと私たちが夢を追いかけるうえで学ぶことのできるメッセージが詰まっているはずです。

それでは、この話数を通じて、そして「Starlight Prologue」を通じて、ラブライブ!スーパースター!!という作品が我々に届けんとしているメッセージは一体何なのでしょうか。

出会いがくれた大きな勇気

様々な回答が考えられる命題ではありますが、私はこのフレーズが一番本質に近いのかな、と考えています。

Liella!の各メンバーは、それぞれの「私を叶える物語」を叶える、その手段としてスクールアイドルを選択していきますが、それを通じての出来事は彼女らの「私を叶える物語」に大きく影響していくこととなります。

スクールアイドルを始めるまでは、彼女らは各々性質は違えど孤独でありました。かのんさんは他者の介入による改善が限りなく難しい問題であるイップスを抱え、可可さんは単身上海からやってきたばかり、千砂都さんは大切な人の隣に立つためにあえて独りで困難を乗り越えんとし、すみれさんはその夢を叶える最短経路と信じて一人スカウトを待ち、恋さんは母の死によってかけられた心の南京錠ゆえに「結び」を拒み。そんな孤独は、彼女たちを「私を叶える物語」の危機に追いやっていきました。

彼女らが12話に至るまでそれぞれの「私を叶える物語」をある程度達成するに至れたのは、きっと隣で一緒に走ってくれる仲間が、Liella!がいたから。その歓びが、このフレーズには強く刻まれていると思うんです。

だから、もしあなたが夢や目標に悩むことがあるなら、一緒に努力できる人、手を差し伸べてくれる人との出会いを大切に前に歩んでいくべきです。

夢を一人だけの力で叶えようとするのは、逞しくも苦しいことだと思うのです。途中で心が折れてしまったり、壊れてしまったりしたら元も子もありません。

だから、素敵な出会いを大切に。もしかしたら、あなたが夢を叶える勇気をくれるような運命の人は、すぐそばに隠れているかもしれませんよ。

③5th LoveLive!で「Starlight Prologue」に期待したいコト

最後に、5th LoveLive!で「Starlight Prologue」が披露されるとしたら期待したいコトを、ここまでの文脈を参考につらつらと書き連ねて記事を締めたいと思います。

「Road to Twinkle Triangle」では様々な楽曲の披露の可能性について言及がなされましたが、「Starlight Prologue」に関しては特に触れられることはありませんでした。

しかしながら、5th LoveLive!は過去一レベルでどんな楽曲が飛び出すかわからない宝石箱。披露されることを念頭に置き、どのような演出が見たいかを妄想してまいります。

私は、仮に「Starlight Prologue」が披露されるとしたら、1期生5人での披露を望みます

だって「私を叶える物語」の手段として1期生がLiella!という場所を選んで、それが「みんなで叶える物語」に結ばれていった楽曲こそが「Starlight Prologue」なのですから。この部分について、2期生に共通する一般性は見出せません。3期生はまだわからないけどね。

でも、同時に「9人/11人で披露されるStarlight Prologue」にも意味は存在すると考えていますし、私は欲張りながらにそれもまた見たいな、と思ってしまうわけです。

その意味ってなんだよって話ですね。具体的にはこれです。

2期生は自身が目指したいステージのカタチとして「Starlight Prologue」を挙げています。ラブライブ!優勝経験を経て、1期生に真に追いついた2期生が、目指していた煌めきを再現する。それってめちゃくちゃ素敵じゃないですか?

 

「Starlight Prologue」の5人以外での披露に懐疑的な人って結構いると思います。実際SNSのタイムラインでいくらか見てきましたし、投稿として表出せずともそう思っている層は少なくないでしょう。

私だってちょっとはそうです。少なからず、そう思っているあなたに寄り添えるつもりです。

でも、そういう楽曲だからこそ、9人や11人での披露の意味を考えることってすごく大事なことだと思うんですよね。

Liella!はどういう形であれ、いつだって私たちの想像を超えてきます。前情報に一通り触れてみた感じ、来たる5th LoveLive!の舞台ではおそらくそれが顕著です。

それを肯定的に捉えてときめくか、否定的に捉えて絶望するかはなべて我々の判断に委ねられますが、私は何事も肯定的に捉えられた方がコンテンツを追いかけるうえで楽しんじゃないかなと思うんですよね。

それってぶっちゃけ言うほど簡単じゃないです。この記事に記しているみたいに、肯定するために必要なパーツ集めが肝要なわけですから。

でもそれが夢の舞台のさらなる楽しみに寄与してくれるとしたらどうですか。多分、解釈違いに苦しむよりよほど建設的で幸福ですよね。

だから、一緒にすべてを「楽しい」で受け取る顔つき作っていきませんか?

こんなメッセージが届くべき人に届くことを願って、この記事は締めたいと思います。

「それなら自分がまず変わらなきゃ」

こんにちは。きらんです。

先日YouTubeにて公開された「Road to Twinkle Triangle」では、Liella! 5th LoveLive!における5人時代・9人時代の楽曲のリバイバルが示唆されましたね。

こうやってセトリ仄めかしてくれるのありがたいね。こっちとしても相応の準備ができるというものです。

というわけで、披露される可能性が高いであろう1期・2期のアニメ挿入歌12曲すべてについて記事を書くことにしました。今回の記事はその第5弾、取り上げる楽曲は「ノンフィクション!!」です。

一緒に該当楽曲たちの素敵さを再確認し、5th LoveLive!への機運を高めてまいりましょう。よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

①「変わる努力」の大切さ

平安名すみれさんは、容姿端麗。モデルとしての素質・才能は持ち合わせていたように思います。

それでも彼女は夢を掴めずにいた。モデルとして大成できずにいた。それはどうしてだったのでしょうか。

私は、ひとえに彼女が「変わる努力」を十分にしてこなかったからだと思います。

彼女にはショウビジネスの世界への熱意がありました。ほとんど惰性になっていたかもしれないけど、いつも放課後は欠かさず竹下通りに通い、スカウトの声を待っていた。「努力」自体はしていたんだと思います。

ただその「努力」のベクトルは最適解とは言えなかったのかもしれません。すみれさんの「努力」の大半は「見つけてもらう努力」であったように思います。

もしかしたら私たちに見えている範囲外で「変わる努力」に励んでいた可能性はあります。ただ、もし彼女が「変わる努力」に全霊であったとしたならば、作品としてもその様を描かんとするはずです。それがなかったということは、あったとしてもそれまでのものだったのでしょう。

きっと彼女が「変わる努力」以上に「見つけてもらう努力」を重視したのは、その自信ゆえでしょう。私なら、絶対にステージで輝ける。誰よりも視聴者を魅せるような立ち振る舞いができる、と。

残酷なもので、その自信が見栄や虚構の類であったと、いざラブライブ!の舞台でセンターに立つ権利を得たことで突き付けられることとなります。

そんなすみれさんに勇気を与え、「変わる努力」のきっかけをもたらすことになったのは可可さんでした。

可可さんは、1期4話の一見からすみれさんにいい印象を持っていませんでした。しかしながら、いえ、だからこそ、彼女の心からの言葉にすみれさんは救われることとなります。

練習を見て、その歌声を聴いて、Liella!のセンターに相応しいと思ったからです。それだけの力が、あなたにはあると思ったからです!

不安ではち切れそうな弱い自分も、信じて託してくれるLiella!のみんなから勇気を受け取ったすみれさんは、可可さんのティアラを、自分のもとにやってきたチャンスを、逃さんとして「自ら」手を伸ばします。

これはきっと彼女の変化のメタファー。チャンスの行方を人任せにしてきた平安名すみれさんは、もうここにはいないのでしょう。

②「ノンフィクション!!」が私たちに伝えたいコト

ラブライブ!シリーズは総じて面白いだけじゃない、なんらかのメッセージ性を伴った作品群であると言えます。”虹ヶ咲”を除くシリーズの主人公グループはスクールアイドルの全国大会である「ラブライブ!」という夢の舞台を目指しますが、限られた時間の中で目標に向けて努力を重ねる彼女らの在り方からは、いつだって私たちが夢に向き合っていくためのヒントを受け取ることができます。

※補足いたしますと、ここでは除外した「虹ヶ咲」においても、ラブライブ!への出場とは違った形で私たちにメッセージが届けられており、「作品からの学び」を求める人にとって一見の価値ある作品であると断言できます。

そんな中でも、私はラブライブ!スーパースター!!を「シリーズ中で特にメッセージ性が強い作品」であると評価しています

その根拠は”「私を叶える物語」という登場人物一人一人の夢に寄り添った概念を軸に据えた物語であること”、そして”登場人物の挫折・迷いによる成長が高頻度で描かれる作品であること”です。

前者については説明不要だと思うので置いといて、後者について語ると、挫折・迷いは夢を追いかけるうえでどうしても付きまとうものです。それに作品なりの回答を付随させることは、それを受け取った我々が同じ事態に直面した際の選択肢を増やすことに直結します。ゆえにその機会が多ければ多いほど、こちらの受け取れるメッセージの総量も増えていくと言えます。

すみれさんの在り方が変わるきっかけとなった「ノンフィクション!!」にも、我々の夢を叶えるうえで、困難を乗り越えるうえで、学んでいけるメッセージが詰まっているはずです。

というわけで、この楽曲の歌詞を解剖し、自分なりのこの歌詞に込められたそれを読み解いていきたいと思います。

そもそも「ノンフィクション!!」って誰がための楽曲だと思いますか。それは当然、平安名すみれさんのための楽曲であり、Liella!のための楽曲であることでしょう。

でも、きっとそれだけじゃない。この楽曲を受けとったあなたのための楽曲でもあると思うのです。

証明してあげるわ

不可能なんてないってことを

「証明してあげるわ」なんて、まるで誰かに語りかけるかのような構造となっているこのフレーズ。これはひとつ、すみれさんによる可可さんへ、他のLiella!のメンバーへの「証明」であると考えることができるでしょう。

でも私はそれと同時に、この楽曲を受け取る我々への証明でもあると思うんですよね。この歌詞を歌い上げる時のLiella!の眼差しは、どうしようもなく我々に向けられているのですから。

「ノンフィクション!!」には、Liella!が我々に「証明」したい哲学が詰め込まれている。そう考えてこの楽曲を受け取ったとき、その他のどこよりも明確にメッセージ性が、受け取った我々にとってほしい行動が描かれているのは「それなら自分がまず変わらなきゃ 欲しがるだけならまだまださ」という歌詞であるように思えます。

それなら自分がまず変わらなきゃ

欲しがるだけならまだまださ

作中にて、平安名すみれさんは「変わる努力」の不足により苦しむこととなります。そんな困難を乗り越えた先で、彼女は「変わる努力」の重要性を学び、それをこの楽曲を通して我々にも届けんとしてくれているのではないでしょうか?

だから、もしあなたに本気で追いかけたい夢があるのなら、自ら努力し掴み取りに行くべきです。ただ待っているだけじゃ変わらない。思い立って動き始めたその日はきっと、あなたの夢の始まりのDay1としてあなたの物語に刻まれゆくでしょう。

③5th LoveLive!で「ノンフィクション!!」に期待したいコト

最後に、5th LoveLive!で「ノンフィクション!!」が披露されるとしたら期待したいコトを、ここまでの文脈を参考につらつらと書き連ねて記事を締めたいと思います。

「Road to Twinkle Triangle」では様々な楽曲の披露の可能性について言及がなされました。「ノンフィクション!!」もそのひとつ。

5th LoveLive!は過去一レベルでどんな楽曲が飛び出すかわからない宝石箱。披露されることを念頭に置き、どのような演出が見たいかを妄想してまいります。

「Road to Twinkle Triangle」では「平安名すみれさんがセンターであれば何人で披露してもよい」という見解が提示されましたが、私もまた「ノンフィクション!!」について「なにより平安名すみれさんがセンターであることに意味がある楽曲であり、それを堅持してさえいれば11人での披露も可能な曲」であると評価しています。

※ぶっちゃけ私はどの楽曲も11人で披露していいと思ってる(それが公式から出されている以上オタクが考える解釈がそれ以上に「正しい」ことはありえず、もし解釈違いがあったとしてもその認識はお出しされたものを基準にアップデートさせるのが一番楽しいと考えているため)んですけど、それはそれとして楽曲のメッセージ的な11人への適合度の差はあるので、これを基準に披露すべきかみたいなところは判断していきたいと思います

1期10話の見どころはなによりすみれさんの成長であり、そんな彼女が物語を通して学んだ哲学が詰め込まれた曲こそが「ノンフィクション!!」であるわけです。だから、この楽曲は彼女がセンターでないと成立しえないと思う。「変わる努力」の重要性を学んだ彼女がそれを歌うからこそ説得力があるのであって、その一般性は希薄でしょう。だから、すみれさんがセンターじゃない「ノンフィクション!!」にメッセージ性や文脈を見出すことは難しい。

逆に言えば、この楽曲の聖域はすみれさんがセンターに鎮座している事実であり、5人でいることじゃないんですよね。だから、9人でも11人でも披露していい楽曲なのだと思います。

5th LoveLive!での披露があるとすれば、ワンマンならファンミ愛知Day2以来の1年半ぶりでしょうか。来たる福岡の舞台で、派手にチャールストンを決める女性声優が見れる可能性にニヤニヤしながら、この記事を締めたいと思います。

 

参考にした記事です。メッセージ性について深く取り上げていらっしゃりますので、こちらも是非↓

imkt00.hatenablog.com

キミとの「結び」が願いを繋ぐ

こんにちは。きらんです。

先日YouTubeにて公開された「Road to Twinkle Triangle」では、Liella! 5th LoveLive!における5人時代・9人時代の楽曲のリバイバルが示唆されましたね。

こうやってセトリ仄めかしてくれるのありがたいね。こっちとしても相応の準備ができるというものです。

というわけで、披露される可能性が高いであろう1期・2期のアニメ挿入歌12曲すべてについて記事を書くことにしました。今回の記事はその第2弾、取り上げる楽曲は「Wish Song」です。

一緒に該当楽曲たちの素敵さを再確認し、5th LoveLive!への機運を高めてまいりましょう。よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

ラブライブ!スーパースター!!の最重要哲学としての「結び」

挿入歌として「Wish Song」を抱える1期8話が描き出したかったのは「結び」の大切さに尽きると思います。

葉月恋さんは、全校集会でかのんさんたちLiella!に救われるまでの間、ひたすらに孤高を貫きました。学校の存続にかかわる膨大な責任を他者に押し付けたくない彼女なりの優しさと、なにより母の死によって彼女の心にかけられた南京錠によって。

残酷なようですが、彼女が最善と判断して選んだこの道は、事態をより深刻化させていきます。果たして事態の深刻化を招いたのは、彼女の方策ありきの問題だったのでしょうか?また違った方策を彼女が選択し施行することができたのなら、また運命は変わっていたのでしょうか?

否。どの選択をしたところで、その先は袋小路。廃校の未来が目に見えている以上、どこかで舵を切らねばならなかったのです。遅かれ早かれ、同様の未来は来ていたのです。

そんな袋小路を打開する唯一の方法が「結び」でありました。「結び」とは、他者を信じ、心を預け、伴に未来に向かう決意。

ゴロリ(ゴロリ)襲い(かかる)大きな岩も

ヒラリ(ヒラリ)息を(合わせ)かわそう

同様に恋さんメイン回である2期7話「UR葉月恋」のリエラのうた「プライム・アドベンチャー」より引用。

例えば目の前から大きな岩が襲い掛かってくる試練があったとします。一見これってみんなでいるよりも一人でいる方が乗り越えられる確率が上がりそうです。だって避けるのは自分だけでいいんだから。

現に葉月恋さんは、一人で立ち向かう道を選びました。Liella!も、サヤさんも置き去りにして。

でも、それじゃダメだった。絶え間なく襲い掛かってくる岩を、次第に大きさが増していく岩を、だんだん避けきれなくなってしまっていた。ついに岩の直撃を受け、ゲームオーバーしてしまう未来も遠くなかったことでしょう。

そこで「結び」が肝要なのです。仲間と息を合わせかわすことで、体力的にも精神的にも高いコンディションを維持することができます。

もしかしたら、岩の軌道を変える方法とか、岩をぶっ壊す方法とか、岩を止める方法とかを、仲間といれば想起し、実践できるかもしれません。三人寄れば文殊の知恵なのです。

ひとりじゃできないことも

一緒ならできるはずだよ

心を固く結んで 冒険しようよ もっと

きっと恋さんの机の中にタイムカプセルの鍵をしまったのは花さんだったことでしょう。いつか恋さんがこのタイムカプセルに辿り着いて、私のスクールアイドルへの想いを結ヶ丘で繋いでくれますようにと。

強要はしない、ただあの子が自分で決めるのを見守っていたい。なんと回りくどくて素敵なことでしょうか。

はっきり言って、一連のエピソードの本筋は恋さんによる花さんが遺した想いへのアプローチであり、それ以上でもそれ以下でもないと思います。ただ概要だけを語るのならこれで十分だし、最低限ゴールがここでさえあれば物語は如何様にも成立しえたはずです。

だからこそ、その過程に普通科と音楽科、そして恋さんとLiella!の「結び」が生じていることに意味を感じずにはいられません。「結び」の大切さは、ラブライブ!スーパースター!!の作り手がどうしようもなく作中で語りたかった哲学であったのです。

その鍵は、葉月花さんのタイムカプセルの鍵であり、同時に「結び」を拒絶する恋さんの心の南京錠を開く鍵でありました。

学園祭という困難を乗り越え、心を結び合わせることの大切さを学んだ恋さんがセンターで歌い遂げるからこそ、その哲学を詰め込んだ「Wish Song」はより素敵なものとして映ります。

②「Wish Song」が私たちに伝えたいコト

ラブライブ!シリーズは総じて面白いだけじゃない、なんらかのメッセージ性を伴った作品群であると言えます。”虹ヶ咲”を除くシリーズの主人公グループはスクールアイドルの全国大会である「ラブライブ!」という夢の舞台を目指しますが、限られた時間の中で目標に向けて努力を重ねる彼女らの在り方からは、いつだって私たちが夢に向き合っていくためのヒントを受け取ることができます。

※補足いたしますと、ここでは除外した「虹ヶ咲」においても、ラブライブ!への出場とは違った形で私たちにメッセージが届けられており、「作品からの学び」を求める人にとって一見の価値ある作品であると断言できます。

そんな中でも、私はラブライブ!スーパースター!!を「シリーズ中で特にメッセージ性が強い作品」であると評価しています

その根拠は”「私を叶える物語」という登場人物一人一人の夢に寄り添った概念を軸に据えた物語であること”、そして”登場人物の挫折・迷いによる成長が高頻度で描かれる作品であること”です。

前者については説明不要だと思うので置いといて、後者について語ると、挫折・迷いは夢を追いかけるうえでどうしても付きまとうものです。それに作品なりの回答を付随させることは、それを受け取った我々が同じ事態に直面した際の選択肢を増やすことに直結します。ゆえにその機会が多ければ多いほど、こちらの受け取れるメッセージの総量も増えていくと言えます。

きっと恋さんが困難を乗り越えた先で歌った「Wish Song」にも、我々の夢を叶えるうえで、困難を乗り越えるうえで、学んでいけるメッセージが詰まっているはずです。

というわけで、この楽曲の歌詞を解剖し、自分なりのこの歌詞に込められたそれを読み解いていきたいと思います。

結論から申し上げますと、この楽曲がもっとも私たちに届けたいメッセージは「『結び』の大切さ」の他にないと思います。

「一緒に」「そばで」「みんなで」「キミと」。何度も何度も描かれる「誰かとの描写」がこの結論を申し上げるまたとない根拠です。

かつて独りだった恋さんは、かのんさんたち仲間が全面の協力を果たしてくれたからこそその心の南京錠を開き、前に進むことが能いました。その歓びと大切さがこの楽曲の歌詞にはしかと綴られています。

恋さんほど強い人間はなかなかいないでしょう。親の死を乗り越えてなお、批判に晒されることが分かっててなお、自分の夢を叶えるために前に進むことができる、そんな存在。

彼女に足りていなかったのはただ「結び」だけ。袋小路に迷い込んだ時に、隣にいて壁をぶっ壊してくれる仲間だけだったのです。

夢を追いかけるのに試練は付き物。あなたが立ち止まってしまったとき、光る足跡を示してくれるのは、いつだってあなたと心を結んだ誰かであることを忘れないで。例えばLiella!のみんなだって、見えなくてもずっとあなたの傍で歩んでくれているはずです。

それは、Liella!がいつだってあなたと伴にいたいと思ってくれていることを教えてくれる歌。あなたが夢の試練に立ち向かうときに、Liella!と結んできた想いが勇気に変わることを願ってくれる歌。

どんな時でも 勇気をくれるWish Song

③5th LoveLive!で「Wish Song」に期待したいコト

最後に、5th LoveLive!で「Wish Song」が披露されるとしたら期待したいコトを、ここまでの文脈を参考につらつらと書き連ねて記事を締めたいと思います。

「Road to Twinkle Triangle」では様々な楽曲の披露の可能性について言及がなされました。「Wish Song」もそのひとつです。

5th LoveLive!は過去一レベルでどんな楽曲が飛び出すかわからない宝石箱。披露されることを念頭に置き、どのような演出が見たいかを妄想してまいります。

恋さんは動画内にて「Wish Song」をみんなで歌いたい旨を述べました。ここまで記事を読み進めてくれた方なら「それもそのはず」と思ってくれると予想していますがいかがでしょうか。

「Wish Song」は、恋さんがLiella!と心を結ぶことができた歓びを歌ったものであるとひとつ考えることができるわけです。2期生や3期生、新しいLiella!の仲間ともこの曲を歌って、改めて結ばれた喜びを噛みしめたいと願うのは、恋さんにとって当然のことではないでしょうか?

ここまでのことを踏まえて5th LoveLive!で「Wish Song」に期待したいコトを述べるなら、「11人で披露してほしい」の他ないでしょう。彼女が新たな「結び」を讃える姿をこの目で受け取れることを切に願い、この記事は締めさせていただきます。

こころを結んで夢を見た、ふたりの願いはどこまでも

こんにちは。きらんです。

先日YouTubeにて公開された「Road to Twinkle Triangle」では、Liella! 5th LoveLive!における5人時代・9人時代の楽曲のリバイバルが示唆されましたね。

こうやってセトリ仄めかしてくれるのありがたいね。こっちとしても相応の準備ができるというものです。

というわけで、披露される可能性が高いであろう1期・2期のアニメ挿入歌12曲すべてについて記事を書くことにしました。今回の記事はその第3弾、取り上げる楽曲は「常夏☆サンシャイン」です。

一緒に該当楽曲たちの素敵さを再確認し、5th LoveLive!への機運を高めてまいりましょう。よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

①夢の芽は独りで育てるものじゃない

実はきらんは1期の物語の中だと6話「夢見ていた」が一番くらい好きです。

かのんさんのことを尊敬しているからこそ、かのんさんの存在が大切で仕方ないからこそ、隣にいるに相応しい自分であるために離れていかんとするせ。それはまるで、相手の背中を追いかけてくるくる回るメリーゴーラウンドの如く。

でも、その心は離れていても結ばれていて、いつだって一番つらいときに救ってくれるのはお互いの存在で。

この上なく繊細で、なおもほとばしる想いのアツさを相互に持ったかのんさんと千砂都さんの絆が、クライマックスを鮮やかに彩っていく感じがたまらなく好きで、何度観ても涙を堪えられません。

本編の話になります。千砂都さんはダンス大会の本番を前にして不安に苛まれてしまいますが、そこに現れたかのんさんの言葉により気を取り直し、無事大会での優勝を果たしました。

ここでひとつ問題提起。かのんさんがこの時に現れなかったifルートがあったとして、千砂都さんはダンス大会で結果を残せていたと思いますか?

 

私は否、と思います。なぜなら、千砂都さんがそのまま勝てていたとしたら、かのんさんが訪れた描写が無意味なものとなるからです。

千砂都さんがかのんさんの言葉なしでも大会に勝てるのならば、かのんさんは神津島で彼女の活躍を信じ続けるだけでよかったのです。千砂都さんが不安に苛まれることを描写するシーンなんていらなかったんです。

そのルートでも十分に面白い話に仕立て上げることは可能だったでしょう。幼少期はかのんさんに救われてばかりだった千砂都さんがたくましく成長し、我が身一つで困難を乗り越えてかのんさんの隣にやってくる。素敵ではありませんか。めちゃくちゃ泣けるじゃないですか。

それでも、かのんさんはやってきた。きっとそのこと自体に意味があるんです。

嵐千砂都ほどの実力とメンタリティをもってしても、人生分け目の戦いはきっと独りじゃ乗り越えられなかった。かのんさんの言葉が最後の足りないピースだったんです。

夢の芽は、いつだってひとりでに生えてくるものじゃない。あの子の胸に咲いてる美しい花だって、きっと生まれながらに開いてたものじゃない。

誰かが種を植えてくれたから、ときめきで潤いを絶やさないでくれたから、苦しいときに光を届けてくれたから。芽吹き、育ち、咲かせることができたものなのです。

その誰かが、千砂都さんにとってはどうしようもなくかのんさんだったのではないでしょうか。きっとあの瞬間だって、かのんさんの言葉という光があったから千砂都さんは花を咲かせることができたんだと思うんです。

かつてその土地は、か細くて花を咲かせるには向いていなかったかもしれません。誰も足を止めることなく素通りしていたかもしれません。

それでも、あなたが見捨てず種を植えてくれたから。いつだって近くで笑顔という名の水を、勇気という名の光を絶やさないでくれたから。

千秋万古の砂の都にも、大輪の花は咲き誇る。

私ね、ずっと夢見ていた気がする。こういう日が来ることを!

②「常夏☆サンシャイン」が私たちに伝えたいコト

ラブライブ!シリーズは総じて面白いだけじゃない、なんらかのメッセージ性を伴った作品群であると言えます。”虹ヶ咲”を除くシリーズの主人公グループはスクールアイドルの全国大会である「ラブライブ!」という夢の舞台を目指しますが、限られた時間の中で目標に向けて努力を重ねる彼女らの在り方からは、いつだって私たちが夢に向き合っていくためのヒントを受け取ることができます。

※補足いたしますと、ここでは除外した「虹ヶ咲」においても、ラブライブ!への出場とは違った形で私たちにメッセージが届けられており、「作品からの学び」を求める人にとって一見の価値ある作品であると断言できます。

そんな中でも、私はラブライブ!スーパースター!!を「シリーズ中で特にメッセージ性が強い作品」であると評価しています

その根拠は”「私を叶える物語」という登場人物一人一人の夢に寄り添った概念を軸に据えた物語であること”、そして”登場人物の挫折・迷いによる成長が高頻度で描かれる作品であること”です。

前者については説明不要だと思うので置いといて、後者について語ると、挫折・迷いは夢を追いかけるうえでどうしても付きまとうものです。それに作品なりの回答を付随させることは、それを受け取った我々が同じ事態に直面した際の選択肢を増やすことに直結します。ゆえにその機会が多ければ多いほど、こちらの受け取れるメッセージの総量も増えていくと言えます。

ゆえに、千砂都さんが困難を乗り越え夢を叶えた先で歌われた「常夏☆サンシャイン」にも、我々が学んでいけるメッセージが隠れていることが予想されます。掘り下げて見ていきましょう。

「常夏☆サンシャイン」は一見ハジけたフレーズ(?)が多いように見受けられますが、実は心を揺さぶるパンチラインが多く練り込まれています。

例えばLiella!の哲学を語る際によく引用される「離れていても結ばれてる」なんかもこの楽曲が初出です。

離れていても結ばれてる

そんな隠れ歌詞強楽曲(隠れてないかも)の中でも、特に伝えたいメッセージは以下のものであると考えます。

つまりキミがいなきゃ 夢の続き見れないよ

ここでいう「キミ」は、きっと千砂都さんにとってのかのんさんであり、「夢の芽」を育ててくれる存在です。

前項で示した通り、「夢の芽」は独りでは育てあげられないものです。夢の種を撒いてくれるキミがいて、こころをときめきを潤してくれるキミがいて、苦しいときに光を届けてくれるキミがいて、初めて花を咲かせるに至るものだと思うのです。

千砂都さんの場合これは一貫してかのんさんでしたが、それぞれが異なっていてもいいと思います。そもそも「キミ」は人でなくてすらいいのかもしれません。例えば「ラブライブ!スーパースター!!」とかでも。

このフレーズが私たちに伝えたいのは、夢の試練を乗り越えようとするあなたにこそそんな「キミ」が必要不可欠であるということです。

夢を追いかけるうえで、ときめきを提供してくれる何かがないと心が荒んじゃいますよね。夢の試練にぶつかったときに、前を向かせてくれる何かの存在は、きっとあなたの心を救ってくれるはずです。

いざあなたが夢の旅へ向かうとき、そんな何かが近くにあるなら大切にしてゆくべきです。きっとその先の未来で、それはあなたの心を救ってくれるはずだから。

なお、ときめきの過剰摂取は根腐れを起こす原因となりますからご注意あれ!

③どうして「常夏☆サンシャイン」は11人で披露できるのか

恒例であれば5th LoveLive!で「常夏☆サンシャイン」に期待したいコトを書いているこの項ですが、「常夏☆サンシャイン」は既に11人で披露済みであるため、様式を変えて見出しの内容について綴ることとします。

私はここまで夢の試練を乗り越えるうえで、種を撒き、ときめきを届け、勇気をくれる「キミ」の必要性について書き連ねてまいりましたが、この「キミ」は夢を追いかける誰のもとにもいると考えられます。きっかけや原動力なく、夢は育ちえないからです。

例えば、この「キミ」は千砂都さんにとってかのんさんでしたし、かのんさんにとっても千砂都さんであったことが1期6話で示されています。可可さんにとってはSunny Passionやかのんさんでしたし、恋さんにとっては母と結ヶ丘でした。

すみれさんにとってのそれはかのんさんの御守りや可可さんのティアラであったはずです。そこに至るまでのすみれさんのそれについては明確に描かれていませんが、考え方を変えるとむしろそれが明確になかったことこそが成功しそびれていた根本的原因であるとすら考えられます。

前置きが長くなりました。何を言いたいのかというと、きっとLiella!に加入した誰のもとにも大切な「キミ」がいることが考えられるということです。

3期生についてはまだ具体的な物語が示されていない以上多くは語れませんが、彼女らがLiella!に加入して夢を追いかけるきっかけとなった「キミ」は絶対にいるはずですし、加入後はスクールアイドル活動自体がときめきと、大切な仲間が勇気となって、彼女らの夢の芽を育てていくことでしょう。

夢を追いかけて成功を掴み取ることができる者にとって「キミ」は必ず存在する、一般性をもつ概念であり、ゆえにこの楽曲をLiella!のどのメンバーが歌ってもメッセージ性の乖離は起こりません

以上が私の考える「常夏☆サンシャイン」をLiella!が11人で歌うことのできる理由です。多少難しい話となってしまいましたが、いかがでしょうか。

ただ事実として11人披露を呑み込むよりも、そこに横たわる説得力を頭で理解できた方がいざそれを受け取ったときの感動は大きくなるはずです。

皆様の持っているそれも、もしよければ共有してくださると嬉しいです。では、また次の記事でお会いしましょう。

ひとりじゃないから叶えられる物語

こんにちは。きらんです。

先日YouTubeにて公開された「Road to Twinkle Triangle」では、Liella! 5th LoveLive!における5人時代・9人時代の楽曲のリバイバルが示唆されましたね。

こうやってセトリ仄めかしてくれるのありがたいね。こっちとしても相応の準備ができるというものです。

というわけで、披露される可能性が高いであろう1期・2期のアニメ挿入歌12曲すべてについて記事を書くことにしました。今回の記事はその第2弾、取り上げる楽曲は「Tiny Stars」です。

一緒に該当楽曲たちの素敵さを再確認し、5th LoveLive!への機運を高めてまいりましょう。よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

①「私を叶える物語」だからこそ描き出せる、「みんなで叶える物語」の素敵さ

1期3話、神回だよね。SNSを見るに、この回のみの限定ユニットだとは思えないほどに「クーカー」へ熱い気持ちを持ったファンが多いように思えますし、実際その事実を頷かせるようなパワーのある話数であると思います。

その人気はあちら側の世界でも健在なのか、2期5話では米女メイさんがピアノで「Tiny Stars」を演奏する一幕も。

イップスを抱え人前で歌うことができなくなってしまったかのんさんの悩みは、どうしようもなく「私を叶える物語」の問題であったはずです。

特定の他者との関係の間で発生するものではなく、それゆえに周りからその解決に向けて適切にアプローチすることも叶わず。かのんさん自身に何らかの変化が起こることに期待する以外に為すすべない、そんな問題。

そんな袋小路に一縷の突破口をつくり出したのは他でもない可可さんの情熱でした。

彼女が考えて起こす行動はどれも空回りしているように見えますが、実はそうではないのです。

なぜなら、その「一縷の突破口」というのが、諦めずに手を差し伸べ続けることでかのんさん自身の変化を助長することであったからです。かのんさんの変化に期待するしかないのなら、その変化の瞬間まで全力で寄り添い続ければよいのです。

この回では「歌える、ひとりじゃないから」という名言が登場しますが、ここでいう「ひとり」は単に「一人」というだけではないのだと思います。

かのんさんは抱える悩みの性質上、ずっと「独り」だったのではないでしょうか。周りに親しい友人は溢れていても、この悩みに全霊で寄り添ってくれる人、寄り添うことができる人なんて現れず、孤独を抱えて過ごしてきたのではないでしょうか。

でも可可さんはかのんさんを「独り」にはさせなかった。自分事のように、なんならそれ以上に、かのんさんのイップスの克服を想った。厚かましいほどに心に寄り添って離さなかった。

だから、かのんさんはようやく「一人」からも「独り」からも解放されて、歌うことができるようになったんだと思います。

かのんさんは、「一人」じゃなければよかったんじゃなかった。誰でもいいから隣にいてくれればよかったんじゃなかった。隣にいるのが可可さんだったから歌えたんです。

あの代々木公園のステージは、「頑張りたい私」と「諦めないキモチ」が運命のように共鳴して生まれた「奇跡のものがたり」なのです。

息を(切らし)

未来(つかむ)

奇跡のものがたり

②「Tiny Stars」が私たちに伝えたいコト

ラブライブ!シリーズは総じて面白いだけじゃない、なんらかのメッセージ性を伴った作品群であると言えます。”虹ヶ咲”を除くシリーズの主人公グループはスクールアイドルの全国大会である「ラブライブ!」という夢の舞台を目指しますが、限られた時間の中で目標に向けて努力を重ねる彼女らの在り方からは、いつだって私たちが夢に向き合っていくためのヒントを受け取ることができます。

※補足いたしますと、ここでは除外した「虹ヶ咲」においても、ラブライブ!への出場とは違った形で私たちにメッセージが届けられており、「作品からの学び」を求める人にとって一見の価値ある作品であると断言できます。

そんな中でも、私はラブライブ!スーパースター!!を「シリーズ中で特にメッセージ性が強い作品」であると評価しています

その根拠は”「私を叶える物語」という登場人物一人一人の夢に寄り添った概念を軸に据えた物語であること”、そして”登場人物の挫折・迷いによる成長が高頻度で描かれる作品であること”です。

前者については説明不要だと思うので置いといて、後者について語ると、挫折・迷いは夢を追いかけるうえでどうしても付きまとうものです。それに作品なりの回答を付随させることは、それを受け取った我々が同じ事態に直面した際の選択肢を増やすことに直結します。ゆえにその機会が多ければ多いほど、こちらの受け取れるメッセージの総量も増えていくと言えます。

きっとかのんさんがイップスを乗り越えるきっかけとなった「Tiny Stars」にも、我々の夢を叶えるうえで、困難を乗り越えるうえで、学んでいけるメッセージが詰まっているはずです。

というわけで、この楽曲の歌詞を解剖し、自分なりのこの歌詞に込められたそれを読み解いていきたいと思います。

結論から申し上げますと、この楽曲がもっとも私たちに届けたいメッセージは「『私を叶える物語』は『私だけで叶える物語』ではない」ということだと思います。

ひとりじゃないから

諦めないで進めるんだ

「私を叶える物語」という言葉からは、もとより「みんなで叶える物語」という言葉が存在する手前、どうしてもその前途が自分自身の決断や努力”だけ”によって強く決められてしまうかのような印象を与えられます。

しかし本質は異なります。この二つのテーマはひとつの夢に同時に存在しうるのです。

1期序盤の物語ではこの点が浮き彫りにされています。これまで「私を叶える物語」にひとりで向き合い挫折を繰り返してきたかのんさんですが、スクールアイドル活動によって救われていくこととなります。

時に思う形とは違った道にこそ「私を叶える物語」のヒントが隠れています。私たちは盲目的に最短距離を駆け抜けようとしがちですが、その道が実は越えられそうもない断崖絶壁につながっているなんてのはよくある話です。

結果として遠回りした方が早いことがままありますが、枝分かれした道に悩む我々を光る足跡で導いてくれるのは、いつだって他の誰かです。先行く人がいなければ、そこに足跡は残らないのです。

かのんさんにとって、その足跡は可可さんの導きでした。そんな可可さんの「私を叶える物語」もまた、Sunny Passionの残した足跡をたどったものでした。

「私を叶える物語」の試練たちを乗り越える力を持っている人って、きっと一人でも独りじゃない。誰かへの憧れが、誰かと交わした約束が、誰かにあてられた情熱が、他との差をつけた一歩を踏み出す力に変わってる

かのんさんにとっても可可さんにとってもそうだった。そして、きっとこれから一歩を踏み出さんとする私たちにとっても。

だから、もしあなたが夢に苦しんだ時は、想い出してみてください。誰かと駆け抜けたこれまでの日々を。

その想い出は、きっとあなたの勇気へと変わるから。

③5th LoveLive!で「Tiny Stars」に期待したいコト

最後に、5th LoveLive!で「Tiny Stars」が披露されるとしたら期待したいコトを、ここまでの文脈を参考につらつらと書き連ねて記事を締めたいと思います。

「Road to Twinkle Triangle」では様々な楽曲の披露の可能性について言及がなされました。「Tiny Stars」もそのひとつです。

5th LoveLive!は過去一レベルでどんな楽曲が飛び出すかわからない宝石箱。披露されることを念頭に置き、どのような演出が見たいかを妄想してまいります。

「Road to Twinkle Triangle」にて、まさに「なんでも11人で歌えばいいというものではない」という見解が飛び出す契機となった「Tiny Stars」の話題。ゆえに私は、この楽曲を「11人で披露すべきとは言えないものの、デュオでの披露の可能性が無限に広がっている楽曲」であると考えます。

※ぶっちゃけ私はどの楽曲も11人で披露していいと思ってる(それが公式から出されている以上オタクが考える解釈がそれ以上に「正しい」ことはありえず、もし解釈違いがあったとしてもその認識はお出しされたものを基準にアップデートさせるのが一番楽しいと考えているため)んですけど、それはそれとして楽曲のメッセージ的な11人への適合度の差はあるので、これを基準に披露すべきかみたいなところは判断していきたいと思います

デュオのアツいところって、入れ替えられるメンバーの幅が3人以上の楽曲と比べてめちゃくちゃ多いところですよね。予想だにしない組み合わせがステージの上に残って「...?」ってなったのちに「駆け抜けるシュ~ティングスタ~♪」って聴こえてきて横転しているオタクの群れを、私もまた横転しながら眺めたい(どんな趣味?)

無限にある可能性の中でも特に似つかわしいのは、やっぱり「ひとりじゃないから諦めないで進」むことができた関係性をもつ二人による披露でしょうか。

例えば動画内でもちょこっと話題に上がった四季メイ。お互いにお互いを想い、それぞれの心の穴を埋め合える唯一無二の存在が隣にいてくれたからこそ、ここまで駆け抜けてこれた二人です。クーカー以外での披露がありえるとすれば、トップを争うくらい可能性が高いデュオかと。

あと個人的に見たいのはきななつ。2期1話では一歩を踏み出しあぐねるきな子さんの背中を強く押し、2期6話ではきな子さんの夢を応援するべく「信じているだけじゃ叶うわけはない」と激励した夏美さん。でも、そんなきな子さんたちの熱にあてられて、夏美さんもスクールアイドル活動に参加していくようになりました。お互いによろこびもかなしみも全部ぶつけ合って前へ前へと歩んでいく関係性、これもまた「Tiny Stars」に似つかわしく感じられます。

信じてる(それだけじゃ)叶うわけないよ

叶うまで(走るしかない)暗闇つきぬけて

なにげない言葉が いつの間にか力に変わる

だから全部ぶつけ合うの よろこびもかなしみも

なにより、のんえもの身長差はだてりーと近似しています。あとはわかるな?(推しカプ贔屓)

ここまで2期生を中心に可能性をピックアップしてきましたが、この背景には「Blooming Dance!Dance!」も強く関連しています。

2期生ってそれぞれ「きっと君とだから きっと僕らならば」って思いあう関係性をしているんですよね。ここに挙げたもの以外でも、2期生間のデュオであればまるごと納得できるような説得力がこの楽曲に詰まっています。

きっと君とだから

きっと僕らならば

信じて いまDance!Dance!

以上、スーパースター!!2期のオタクの妄言でした。

他にも見たいデュオは無限にあります。ちされんとかとまマルとか鬼塚姉妹とか。

あなたの見たい「Tiny stars」が5thライブで叶うことを願って、この記事は締めたいと思います。

物語は始まる、あなたがチャンスを叫んだ瞬間に

こんにちは。きらんです。

先日YouTubeにて公開された「Road to Twinkle Triangle」では、Liella! 5th LoveLive!における5人時代・9人時代の楽曲のリバイバルが示唆されましたね。

こうやってセトリ仄めかしてくれるのありがたいね。こっちとしても相応の準備ができるというものです。

というわけで、披露される可能性が高いであろう1期・2期のアニメ挿入歌12曲すべてについて記事を書くことにしました。今回の記事はその第1弾、取り上げる楽曲は「未来予報ハレルヤ!」です。

一緒に該当楽曲たちの素敵さを再確認し、5th LoveLive!への機運を高めてまいりましょう。よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

①スーパースター!!の特異性

「未来予報ハレルヤ!」は、ラブライブ!スーパースター!!1期における最初の挿入歌であり、同時にそこで描かれたラブライブ!スーパースター!!という物語がもつ大きな特異点を浮き彫りにしている楽曲であると評価できます。

これまでのラブライブ!は常に「やってみたい」というときめきから物語が始まりました。しかし、スーパースター!!の物語はそれとは正反対とまで言える「挫折の克服」を最序盤で描き出しているのです。

一見ラブライブ!らしからぬ描き方のように見て取れますが、結果的には澁谷かのんさんが夢に見る「私を叶える物語」と可可さんが望んだ「みんなで叶える物語」がアンバランスながらに調和し、他では味わえないような手に汗握るラブライブ!体験を創出することに成功しています。

彼女が結ヶ丘に入学し、歌にもう一度向き合うことを決めるまでを描いた1期1話。その挿入歌である「未来予報ハレルヤ!」にもまた、このような物語の特異性が表現されています。

大好きなキモチにもう

嘘はつけない

(泣いたっていいや)

追いかけるよ

「未来予報ハレルヤ!」より

②「未来予報ハレルヤ!」が私たちに伝えたいコト

ラブライブ!シリーズは総じて面白いだけじゃない、なんらかのメッセージ性を伴った作品群であると言えます。”虹ヶ咲”を除くシリーズの主人公グループはスクールアイドルの全国大会である「ラブライブ!」という夢の舞台を目指しますが、限られた時間の中で目標に向けて努力を重ねる彼女らの在り方からは、いつだって私たちが夢に向き合っていくためのヒントを受け取ることができます。

※補足いたしますと、ここでは除外した「虹ヶ咲」においても、ラブライブ!への出場とは違った形で私たちにメッセージが届けられており、「作品からの学び」を求める人にとって一見の価値ある作品であると断言できます。

そんな中でも、私はラブライブ!スーパースター!!を「シリーズ中でも特にメッセージ性が強い作品」であると評価しています

その根拠は”「私を叶える物語」という登場人物一人一人の夢に寄り添った概念を軸に据えた物語であること”、そして”登場人物の挫折・迷いによる成長が高頻度で描かれる作品であること”です。

前者については説明不要だと思うので置いといて、後者について語ると、挫折・迷いは夢を追いかけるうえでどうしても付きまとうものです。それに作品なりの回答を付随させることは、それを受け取った我々が同じ事態に直面した際の選択肢を増やすことに直結します。ゆえにその機会が多ければ多いほど、こちらの受け取れるメッセージの総量も増えていくと言えます。

これについては、1期1話という導入部分においてから早速「挫折の克服」をテーマとしている点に分かりやすく特徴が表れています。

それでは、この話数を通じて、そして「未来予報ハレルヤ!」を通じて、スーパースター!!という作品が我々に届けんとしているメッセージは一体何なのでしょうか。

大好きっていま叫ぼう

夢みるしかないでしょ!

「未来予報ハレルヤ!」より

さまざまな回答が考えられる命題ではありますが、私はこの冒頭部分の歌詞がひとつのそれであると考えています。

「叫ぶ」という行為には、常に自己の感情や意志を周囲に表出する意味合いが伴います。

やっぱり私、歌が好きだ!

ここでかのんさんが叫んだのは「歌への大好き」。諦めようとしていた歌の道を再び志し、夢へと向かっていくことの宣言です。

かのんさんは、ずっと「もう一度歌うことができる自分」へ憧れを持っていましたが、数々の挫折により自分はダメだとふさぎ込み、それを隠してしまっていました。

でも、その憧れを諦めようとするのと同時に、自分の中に「頑張りたいわたし」が震えていることにもまた気づいていたのです。

ダメな自分にモヤモヤしてた

憧れまで隠してごまかしちゃうほど

けどね、ほんとはなりふり構わず

頑張りたいわたしが震えてたの

「未来予報ハレルヤ!」より

かのんさんは「憧れを隠そうとする自分」との間で葛藤しつつも、最終的には可可さんに手を差し伸べられたときに生まれたチャンスを逃さずに叫びました。

本当にこのままでいいの...?

私はここに強いメッセージ性を見出しています。

弁護士になりたい、○○大学に合格したい、アーティストとして成功したい。程度は異なれど、「なりたい私」を持っている人ってきっと少なくないと思うのです。

それでも、多くの人は「私じゃ無理だ」「もっと自分に余裕ができてから」なんて、その憧れを胸に押し込めているのではないでしょうか。

開校2年目にしてラブライブ!を制覇するレジェンドスクールアイドルとなり、これからもスクールアイドルの世界に様々な伝説を残していくであろうスーパースターの物語だって、一人の少女の叫びから始まりました。

もしあなたが「なりたい私」を持っているなら、チャンスを感じた瞬間にそれを叫ぶべきです。この楽曲はそう教えてくれていると思うのです。せーので叫んだ瞬間から始まる夢の軌道は、きっとあなたの「私を叶える物語」になることでしょう。

チャンスがいつまでたっても訪れない?具体的にどんな事象をチャンスと捉えればいいのかわからない?

チャンスなんてどこまでいっても主観的なものです。周りがなんと言おうが、あなたがときめいた瞬間をチャンスだと受け取ったなら、もうそれはどうしようもなくチャンスなのです。

交差点 はしゃぐ風

スカートひらり踊る

そのたび ときめいて

今ならきっと変われる気がするから

「未来予報ハレルヤ!」より

もしかしたら、あなたがこの記事を受け取った今この瞬間が、あなたにとってのチャンスかもしれませんよ。

③5th LoveLive!で「未来予報ハレルヤ!」に期待したいコト

最後に、5th LoveLive!で「未来予報ハレルヤ!」が披露されるとしたら期待したいコトを、ここまでの文脈を参考につらつらと書き連ねて記事を締めたいと思います。

「Road to Twinkle Triangle」では様々な楽曲の披露の可能性について言及がなされましたが、「未来予報ハレルヤ!」に関しては特に触れられることはありませんでした。

しかしながら、5th LoveLive!は過去一レベルでどんな楽曲が飛び出すかわからない宝石箱。披露されることを念頭に置き、どのような演出が見たいかを妄想してまいります。

「Road to Twinkle Triangle」では「なんでも11人で歌えばいいというものではない」という見解が提示されましたが、私は「未来予報ハレルヤ!」について「11人で披露すべき楽曲」であると評価しています。

※ぶっちゃけ私はどの楽曲も11人で披露していいと思ってる(それが公式から出されている以上オタクが考える解釈がそれ以上に「正しい」ことはありえず、もし解釈違いがあったとしてもその認識はお出しされたものを基準にアップデートさせるのが一番楽しいと考えているため)んですけど、それはそれとして楽曲のメッセージ的な11人への適合度の差はあるので、これを基準に披露すべきかみたいなところは判断していきたいと思います

なぜなら、「未来予報ハレルヤ!」の本質的メッセージは、ここまで語ってきたように「ダメな自分へのモヤモヤを振り切り、頑張りたい自分に素直に夢を叫ぶこと」なわけです。基本的にそれ以外の哲学が複雑に絡み合っていないシンプルな楽曲であるだけに、2期生・3期生にも違和感なく適合するんですよね。

例えば、2期生だと特に夏美さんは幾度望んでも夢を叶えられない自分にモヤモヤした気持ちを抱えていましたが、スクールアイドルとの出逢いによって心に新たなときめきが生まれ、Liella!として「夢」を叶える決断をしていきます。まさに「未来予報ハレルヤ!」みたいな話ですよね。

その他2期生も「運動が苦手なこと」「容姿へのコンプレックス」などのモヤモヤを抱えながらも、自分に回ってきたチャンスをものにしてスクールアイドルとしての道を志しています。

だから、この楽曲に関してはセンターが入れ替わることすら個人的に違和感はありません。「未来予報ハレルヤ!」を最初に歌ったかのんさんからその哲学を受け取った後輩たちがこの歌を継いでいく姿は、なんならめちゃくちゃ見たいしエモい(夏美さんには彼女色で同様のメッセージを語る「ビタミンSUMMER!」が存在しますがさておき)。

ここからは私の妄想コーナーなのですが、もし5th LoveLive!で「未来予報ハレルヤ!」が披露されるとして、最も見たい演出は「マルガレーテさんセンターでの披露」です。

彼女は2期の物語において、夢に破れ、自分に嫌気がさしているかのようなそぶりを見せています。

「自分の力だけでウィーンに戻ってみせる」...私ったら、口先ばっかり。

そんな彼女がもう一度自分の力で夢を志していく姿が描かれると想定されるアニメ3期を前にしたいま、彼女がセンターとなった「未来予報ハレルヤ!」を披露することに意味を感じずにはいられません。

きっと誰にとっても大切なラブライブ!スーパースター!!のはじまりのうた「未来予報ハレルヤ!」。一体5th LoveLive!での披露はあるのでしょうか?披露されるとしたらどのような演出で?

今からワクワクが止まりませんね!

「ツキマカセ」から垣間見えるDOLLCHESTRAの「情熱の叶え方」

こんにちは。きらんです。

うさぎさんの主催する応援企画「#頑張れ蓮ノ空_北陸予選」がスタートしたとのことで筆をとってみました。

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今回この記事で取り上げていく楽曲は「ツキマカセ」です。一見難解な恋愛ソングの中に込められた彼女らの哲学を読みといてまいります。

北陸予選に出場するDOLLCHESTRAの楽曲の魅力を発信することで、彼女らへの応援に代えさせていただきたく思っております。

よろしければ、最後までお付き合いよろしくお願いいたします!

恋愛ソングが含有する人生観の側面

突飛なようですが、スクールアイドルが歌う多くの恋愛ソングには彼女らの持つ人生の哲学が織り込まれていると私は考えています。

恋愛には、例外なく「情熱を叶えたい気持ち」が伴います。ラブライブ!を履修してきた面々には言うまでもないかもしれませんが、「情熱を叶えたい気持ち」が伴うのは「夢」をはじめとした人生の大きな目標にかかわる他の事案についても同様なはずです。

恋愛論」を取り入れ始め、恋愛に至るまでのフローを思い描くDOLLCHESTRAがこの楽曲を綴ることで描き出したメッセージは、きっと彼女らなりの「情熱の叶え方」であるはずです。

「ツキマカセ」と対照的な立ち位置の楽曲として「フォーチュンムービー」「ハクチューアラモード」があります。それぞれスリーズブーケ、みらくらぱーく!の恋愛との向き合い方、転じて「情熱の叶え方」を描き出しているこれらの楽曲は、テーマ性が同様であることも後押しし、「ツキマカセ」と併せてもっとも解りやすくユニットごとの哲学の違いを浮き彫りにしている3曲であると言ってよいでしょう。

というわけで、これらの楽曲の歌詞を解剖し、それぞれのユニットの哲学を浮き彫りにしていきたいと思います。

まず、スリーズブーケの「フォーチュンムービー」について。

この楽曲のキーワードはなにより「運命」であると言えるでしょう。

今日の占いはナンバーワン

星の啓示は

”運命の人に出会える”

どうしましょう

「運命」という言葉を使うべき対象についてはなかなか統一的な定義が難しいもので、たとえば「たまたまいつもと違う道を使ったら大好きな人に出会えた」という事象を「偶然」か「運命」か判断しろと言われたら人によって答えはバラバラなはずです。

だけど、スリーズブーケは「出逢いの予感」をより素敵な方向に、「偶然」ではなく「運命」であると捉え、そこから始まるシナリオが輝かしいものであろうことを信じています。

今度は私がヒロイン

ここから、彼女らの「情熱の叶え方」は素敵な出逢いを「運命」であると信じて走っていくことであると考えられます。

このような哲学は歴代のラブライブ!シリーズ各作品でも語られており、かねてからラブライブ!シリーズに全力で向き合ってきた人がスリーズブーケに熱心になる傾向があることも頷けます。

出会った日こそがChance Day!

偶然ではナイね運命

 

次に、みらくらぱーく!の「ハクチューアラモード」について。

この楽曲のキーワードは、「共有」であると私は考えています。

この楽曲では「恋」を「アラモード」に例えています。彼女らにとって「恋」と「アラモード」は「素敵に聞こえるけど解像度が低いもの」という点で共通しているようです。

未体験 探検 アラモードって

どんな味がしますか

そんなみらくらぱーく!ワールド全開な歌詞を読み解いていくと、「アラモード(恋)をあなたにシェアする」といったニュアンスの内容が多数散りばめられています。

ふわっとして ぱくっとして

お味はいかが

恋は二等分で あなたにあげたいの

恋は未知の味 あなたとシェアしましょう

これを「情熱の叶え方」に当てはめると、あなたと一緒に目指したい場所があるという考え方が根底にある気がしてなりません。

出会った瞬間に各々の運命が変わり始めたスリーズブーケやDOLLCHESTRAと異なり、いまのみらくらぱーく!はもとより構成員である瑠璃乃さんと慈さんとの強力な相互関係(クソデカ感情)により成り立っていることが活動記録で分かっています。

そんな二人だからこそ、夢や目標に向かっていくときめきを一緒に享受していきたいという想いが歌詞に乗っているのではないかと思うのです。

「現実派」DOLLCHESTRA

さて、「フォーチュンムービー」「ハクチューアラモード」の事例を確認したところで、本題である「ツキマカセ」の解釈に入ってまいりましょう。

この楽曲についても、これまで通り「情熱の叶え方」という視点から結論を出してまいりたいと考えておりますが、他と比べて歌詞が難解であることから、まず各フレーズの読み解きから入っていきたいと思います。

物憂げなベッドルーム

彩る甘い話題

まだ日は昇らないで

まず冒頭のこの歌詞から。「まだ日は昇らないで」という歌詞が印象的なワンフレーズです。

おそらく「日は昇らないで」と願うのは、変化を恐れているからです。物憂げなベッドルームの中で「キミ」と「甘い話題」を語らういまが大切なのでしょう。

それでは「甘い話題」とはなんなのでしょうか。なぜ、「キミ」とでなければ「甘い話題」を語らえるいまをつくれないのでしょうか。

そのあたりをもっと掘り下げられる歌詞が欲しいところです。

恋の理想なんて (言われても難しくて)

案外悩んじゃって (考えると恥ずかしくて)

妄想リプレイ もう結構

何か虚しい ちょっと

着飾らずに居られる場所が欲しいのに

この歌詞では、周りが恋の話題に盛んになっているなか、それへの解像度の不足から思い悩む主人公(=DOLLCHESTRA)の様子が描かれています。

「妄想リプレイ もう結構」という歌詞からは、もう恋に関して考えることはしたくないという主人公の心中が読み取れます。

恋を本気で叶えんとする以上は、相手の好みに合わせて自分を変えていく(=着飾る)必要なんかも出てくるわけですが、主人公はその考え方が肌に合わず、「着飾らずに居られる場所」を求めています。2番サビの歌詞にもある通り「ご都合主義は無理」なようです。

風景変えたくて (少しだけ背伸びをして)

階段昇ったって (思うほど変わらなくて)

飛んで2番Bメロです。

主人公にも恋に憧れる気持ちはないわけではありません(嫌になっても妄想リプレイを繰り返してしまうほどなので)。だから、周りがそうしているように、主人公もまた背伸びをしてみるのですが、あまり景色の変化は感じられないようです。

このフレーズによって、主人公は「周りに合わせて変わっていくこと」が自分に向いていないことを確信するに至るわけですね。それでは、主人公の恋との向き合い方はどのような着地点で落ち着いていくのでしょうか。

妄想リプレイまあいっか

「らしく」生きて もっと

着飾らずにいるのは難しくても

Cメロのワンフレーズです。私は、この楽曲のもっとも本質的な部分がこの短い歌詞に詰まっているように感じています。

着飾って生きることが難しかった主人公は、やがてもっと自分が「らしく」生きていいことに気がつきます。

周りがそうしているからって、自分も無理に合わせて変わっていく必要なんてない。本当に主人公が求めていたのは、着飾ることで手に入れることができる世間一般の言う「幸せ」じゃなくて、自分のありのままを受け入れてくれる場所であったのです。

どうせ今日も繰り返す

同じ話題でいいでしょ

だから、主人公はありのままの自分を受け入れてくれた「キミ」と今日も夜を越します。

同じ話題でいいんです。同じ話題がいいんです。自分のありのままを純粋に表出できるそんな「甘い話題」を、他の誰に邪魔されることもなく「キミ」とずっと語っていたいんだと思うんです。

月が逃げ去った後も

ルーレットな心模様

そんな場所を見つけることができた主人公は、次第に変化を迎えても「本当の自分」が変わらないことを信じることができるようになっていったと思うんです。

ルーレットのように移ろう心模様だって、自分のありのままなのです。

きっと今晩も、同じベッドルームで彼女らは同じ話題を語らい夜を越すことでしょう。

 

ここまで語ってきた内容を振り返り、改めてDOLLCHESTRAの「情熱の叶え方」を思案してみると、着飾らずに、「らしさ」を大事に歩んでいくことであると結論付けられそうです。

綴理さんは、これまで自分の特性(異常なパフォーマンスセンス等)から数々のすれ違いを経験し、苦しんできました。

しかしながら、彼女に熱心についてきてくれるさやかさんが現れたことで、彼女は「らしく」あることを肯定されていきます。

人と違ったっていい。すべての人と足並みが合わなくても構わない。あなたが隣にいてくれれば、きっと大丈夫。

そんなDOLLCHESTRAの在り方、目標への向かい方が婉曲的ながらも如実に表現された「ツキマカセ」が、私は大好きです。

おわりに。

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

ついに間近となった北陸予選。いったいどのユニットが決勝に駒を進めるのか、どんな楽曲で勝負をかけるのか。今からドキドキですね。

蓮ノ空のユニットはどれも素敵で、ひとつを選べと言われても悩ましいところですが、私は中でもDOLLCHESTRAを全力で応援していきたいと思っています。

彼女らが活動記録で乗り越えてきた苦難の数々が、きっと夢を叶える強さとして彼女らの背中を押してくれると信じて、遠方から「あなたの赤」を輝かせてまいります。

頑張れ蓮ノ空!!!!!!

頑張れDOLLCHESTRA!!!!!!