みなさんこんにちは。きらんです。
突然ですが、皆さん今日は何の日かご存じですか?
そう!ラブライブ!スーパースター!!2期オリジナルサウンドトラック「Twinkle of the Superstar」発売1周年!!!!!おめでとうございます!!!!!
というわけで、今回の記事ではアニメラブライブ!スーパースター!!の劇伴音楽に関して、私なりに魅力を発信してまいろうと思います。
当方、お恥ずかしながら音楽についての造形はまるでございません。ゆえに、専門知識に基づいた詳細な解説等はできかねます。
それでもなお作品から受け取れる「素敵」ってあって。それをどうにかカタチにしたく執筆しております。
逆に言えば、音楽関連の難しい話は交えずに楽曲の魅力をお届けする記事となりますから、劇伴音楽に敷居の高さを感じている人でもある程度とっつきやすいものに仕上がっていることと思います。
「劇伴はちょっと興味あるけど、どこから入ればわからない...」
そんなあなたこそ、この記事を読んで少しでもスーパースター!!の劇伴音楽を好きになっていただけたら嬉しいです。
よろしければ最後までお付き合いよろしくお願いいたします!
①劇伴音楽とは?
劇伴(げきばん、「げきはん」とはあまり言わない)は、映画やテレビドラマ、演劇、アニメ等の視覚作品に合わせて流される音楽であり、転じて音楽ジャンルのひとつ。
Wikipediaより引用。
要するに、劇伴は映像作品で流れる音楽の総称です。挿入歌を含んだものとして定義されますが、今回の記事では主にBGMとして起用される劇伴音楽について取沙汰してまいります。
ラブライブ!スーパースター!!の劇伴音楽は、その多くが「Dreams of the Superstar」「Twinkle of the Superstar」という二つのCDに収録されています(一部他の作品からの流用あり)。よろしければチェックしてみてください。
なお、ラブライブ!スーパースター!!の劇伴音楽の作曲を担当しているのは藤澤慶昌さん。ラブライブ!無印の劇伴音楽も手掛けていらっっしゃる方です。
「ラブライブ!スーパースター!!」
— 藤澤慶昌💥 フジサワヨシアキ⚡️Yoshiaki Fujisawa ㊙︎ (@MeganeBanchow) 2022年10月26日
サントラ第二弾『Twinkle of the Superstar』本日発売でございます!第2期での彼女たちの1年間を思い返しながらフンワリお聴きいただければ嬉しいです。何卒何卒!よろしくお願いいたします!!
💫💫💫💫💫💫💫💫💫#lovelive #Liella
②スーパースター!!劇伴音楽の特徴
劇伴音楽と一概に言えど、その作曲者さんや物語の作風によって、作品ごとに異なった特徴が浮かび上がるものです。
そんなわけで、この項ではラブライブ!スーパースター!!の劇伴音楽の特徴を紹介していきたいと思います。
かのんさんのギターが劇伴に!
「2人の気持ち」「みんなと一緒に」の二曲においては、かのんさんが劇中で弾いたギターの音源がそのまま劇伴音楽に取り入れられています。
劇伴音楽を聴くことでその劇伴の起用シーンを思い起こすことは劇伴音楽のメジャーな楽しみ方のひとつ。かのんさんによるギターの演奏を伴ったこれらの楽曲は、この楽しみ方を実践するうえで、特に優れた没入感を感じさせてくれること間違いなしです!
タイトルとシーンが連動しやすい!
スーパースター!!の劇伴音楽には、他の作品と比べ、タイトルを見ただけで「ああ、あのシーンで使われていた楽曲ね!」と連動させやすいものが多いことも特徴として挙げられます。
例えば「Liella!をプロデュース☆」。こんなんあのシーン以外ないだろ、っていう具合に。
この特徴から、スーパースター!!の劇伴音楽はこれまで劇伴に触れてこなかった方でも親しみやすいテイストに仕上がっています。
とにかく盛り上がる「必殺技劇伴」!
劇伴音楽に地味な印象を持っている人も安心。スーパースター!!には、普段から歌詞のない音楽をあまり聴かない人でも楽しく聴けること間違いなしの「必殺技」のような劇伴が多々用意されています。
具体的なタイトルは次からのセクションにてお話させていただきますが、それほど劇伴に詳しくなくても聴いていてテンションが上がるような良曲が揃い踏みです。
まずは、普段使っているプレイリストにお気に入りの劇伴をいくつか入れてみる、という親しみ方もおすすめです。
③クラス別おすすめ劇伴音楽リスト
ここからは個人的に皆さんに聴いてほしい劇伴音楽をリストアップしてまいりたいと思います。
とは言え、劇伴音楽の中でもジャンルやベクトルは様々。流れるシーンで無意識下にオタクが泣いてる必殺技もあれば、それほどのインパクトはないもののシーンのエモさに大きく寄与してくれているような劇伴まで多種多様です。
そこで、劇伴への理解度や関心別に4段階のクラスを設定し、おすすめの劇伴をそれぞれにソートしてお届けしてまいりたいと思います。
具体的なクラス分けといたしましては、
まだ全く劇伴の知識はないけどとにかく何か聴いてみたい!という人に向けた入門編、
少しでも劇伴の話をできるようになりたい!劇伴の良さを理解したい!という人に向けた初級編、
より劇伴の理解を深めたい!劇伴でエモくなりたい!という人に向けた中級編、
物語の解釈を劇伴によって深めたい!劇伴から受け取れるメッセージを享受したい!という人に向けた玄人編の4つです。
なお、リストは完全に主観で構成したものであり、「入れたいけど尺の都合で省かざるを得なかった...」というものも少なからず存在します(ほんとは全部聴いてほしい、神なので)
自分の好きな劇伴がリストに入ってない!不本意だ!という方は、ぜひコメントでその劇伴を紹介してくださると嬉しいです!
入門編1:Main Theme of LoveLive! Superstar!!
まず外せないのがこの楽曲。
ラブライブ!シリーズの各作品にはそれぞれ「メインテーマ」としての劇伴音楽が存在しますが、スーパースター!!におけるメインテーマ楽曲がこの「Main Theme of LoveLive! Superstar!!」です。
この楽曲は1st~4thに至るまで、ライブのオープニングソングとして起用されているため、多くの人にとって聴きなじみのある楽曲であることでしょう。
まだ全く劇伴に触れたことがない方は、普段使っているLiella!楽曲のプレイリストの中にこの楽曲だけ入れてみる、なんていうのもおすすめです。
なお、本編においては、1期1話の冒頭シーン、2期9話の東京大会進出決定シーンなど、物語における重要なタイミングで起用されている劇伴音楽となっております。
入門編2:結ばれた想い
劇伴ミリしらでもこの楽曲は知っていると思います。なんせ、ラブライブ!スーパースター!!にはこの楽曲のメロディに歌詞を付け加え、そのまま楽曲に落とし込んだものが存在します。
そう、「瞬きの先へ」です。
そんなラブライブ!スーパースター!!を代表するかのような劇伴がエグい使い方されてないわけないって話なんですよね。覚悟はいいか?オレはできてる。
この楽曲は、恋さんを主としたキャラクター同士の(さらに言えば多くの場合対立に近い関係にあるメンバー同士の)心が結ばれるきっかけとなる出来事がもたらされたタイミングで起用されます。
もっとも印象的な使われ方がされているのは、1期8話「結ばれる想い」。
もうタイトルから既にこの劇伴による物語の収束を意識してるじゃんね。もうそういうレベルの楽曲だってことです。負けで。
入門編3:未来へ
個人的に「最強」だと思っている劇伴音楽です。
この楽曲は、2期12話の「未来の音が聴こえる」披露直前シーンで起用されています。
かのんさんおよびLiella!が各々進むべき道を見据え、強い覚悟をもってその「未来へ」歩まんとする力強さがこの楽曲には表現されているように思えます。
ラブライブ!決勝戦のファンファーレのような楽曲であり、その壮大さでこの楽曲の右に出る劇伴音楽は存在しないと言い切れましょう。
後半になるにつれボルテージが上がっていくのが印象的な楽曲ではありますが、前半の比較的静かな部分も劇伴マニアの間ではよく取沙汰されます。
なぜなら、前半部分は後ほど紹介する「幼い日の思い出」「星の連なり」という二つの楽曲がオマージュされたものとなっているためです。
これまでLiella!が描いてきた軌跡がラブライブ決勝戦というステージに結ばれていく奇跡を感じさせてくれるような構成で、初心者から玄人まで楽しめる楽曲となっています。
知るにつれてエモが増幅されていく過程が楽しめるという点でも、劇伴の世界に足を踏み入れたばかりの人にぜひ聞いてほしい1曲です。
初級編1:想いはひとつ
ここからは初級編。最初に紹介させていただくのは1期6話での起用が印象的な「想いはひとつ」です。
タイトル通り、Liella!のメンバー同士(特にかのちぃ)の心が重なってひとつになった場面で起用される劇伴音楽です。この説明の時点で察しのいい方はお気づきでしょうが、この劇伴が流れるようなシーンはだいたいヤバいです。
序盤に盛り上げるポイントがあり、そこでピークを迎えたと思ったらまただんだん音楽が熱を帯びてきて、ちょうど第2ピークがエグいセリフと重なってるみたいな感じです。やりすぎ。
私が劇伴音楽にハマったのは2期放送ちょっと前くらいなんですけど、この楽曲を好きになってから1期6話を観返した時が一番劇伴好きになってよかったって思った瞬間かもしれないです。それくらいには強いです。
なお、1期6話は起用されている劇伴のラインナップが天下一武道会なことで有名です。劇伴あらかた履修できたらとりあえず1期6話を観ましょう、飛ぶので。
初級編2:星の連なり
お待たせしました。ラブライブ!スーパースター!!劇伴界のリーサルウェポンこと、「星の連なり」です。
この楽曲がどれくらいヤバいかというと、バトルアニメやスポーツアニメのクライマックスシーンで流れ始めるオープニングテーマくらいヤバいです。多分この劇伴が流れているシーンで泣いたことないラブライブ!スーパースター!!オタクの方が希少だとすら思います。
具体的な起用シーンを挙げるとすれば、
これとか、
これとか。
な?「それは言い過ぎw」って言ってたオタクたちも話変わったろ?
初級編3:みんなと一緒に
先程お話させていただいた「かのんさんの演奏が劇伴内に取り入れられている」というスーパースター!!劇伴の特徴が現れた楽曲です。
具体的には、2期10話「渋谷に響く歌」でかのんさんが作曲しているシーンからキャンプファイアーのシーンにかけて起用されています。
ラブライブ!スーパースター!!という物語のひとつの到達点のシーンで起用されている劇伴というだけで聴く価値がありますし、スーパースター!!ならではの劇伴音楽の用い方を味わうことができ、シーンと劇伴音楽をつなげて楽しむこともしやすい、そんな素敵な楽曲に仕上がっています。
ラブライブ!スーパースター!!が大好きなあなたに、是非とも聴いてほしい極上の一曲です!
中級編1:新しい私
ここからは中級編。紹介する劇伴のラインナップもややマニアックなものになっていきます。
中級編1曲目は「新しい私」。特に1期序盤での起用が印象的な楽曲です。
ラブライブ!スーパースター!!という作品のひとつのテーマとして、以下のフレーズが挙げられます。
劇伴「新しい私」は、作品のこのテーマを強く反映した一曲であると言えるでしょう。
なお、アニメ3期では3期生の二人がLiella!に加入する展開が予想されますが、この二人のプロフィールを見るにいかにもラブライブ!スーパースター!!アンチみたいな内容ですよね。
この二人がLiella!に加入するにあたって、彼女らの胸中が何らかの形で感化される展開が描かれていくことでしょう。彼女らの「新しい私」に変化していくにあたって、この劇伴が起用されることもありえなくはなさそうです。
聴いていただければわかると思うのですが、この劇伴はこれまで紹介してきた劇伴と比べて派手さはなく、ひたすらに切ないメロディが続いていく楽曲となっています。
必殺技のような劇伴ではないものの、起用されるシーンはどれも物語における重要な要素を伴うシーンです。
もし3期にこの劇伴が登場したとして、聴こえてきた瞬間に頭を抱えることができたなら、あなたはもう相当な劇伴ジャンキーであると言えるでしょう。
中級編2:幼い日の思い出
中級編2曲目は「幼い日の思い出」。
「新しい私」同様、切ないメロディを基調とした楽曲ではあるのですが、起用シーンの破壊力と言ったらもう凄まじいことこのうえなし。この劇伴の魅力を理解すること=ラブライブ!スーパースター!!の劇伴の魅力を理解することと言っても過言ではないです(ほんとか?)
この楽曲はキャラクターの幼少期の回想場面で起用される劇伴です。
特に、回想場面で繰り広げられる行動・言動・経験が、そのキャラクターの哲学に大きな影響を与えているようなシーンで流れる印象です。
さらに言えば、この劇伴には、起用された話数の中で回想対象のキャラクターが抱える問題が解決に向かうという特徴もあります。
「シリーズ随一レベルでキャラクターの過去が重い」と言われているスーパースター!!において、この劇伴が起用される場面がどれだけ凄まじいシーンかは想像に容易いでしょう。
また、この劇伴は常に回想場面とセットで起用されているため、この劇伴のメロディが流れ始めることにより、場面が切り替わって回想シーンが始まることを無意識下で視聴者に予期させるといった機能を備えています。
初級編まではシーンの迫力を強調し、物語の説得力を向上させる「必殺技」のような機能を持った劇伴について触れてまいりましたが、縁の下の力持ちとして場面の切り替わりをスムーズにし、視聴者の作品理解に寄与することも劇伴の役割のひとつであり、この楽曲はその類の劇伴の代表例であると言えましょう。
玄人編1:好きだけじゃない
いよいよ玄人編に入ってまいります。その1曲目は「好きだけじゃない」。
この楽曲が初登場したのは1期6話。劇伴の名前の由来は聖澤悠奈さんの以下の台詞であると考えられます。
「本当に好きなだけなのかな?」
この楽曲は、ラブライブ!スーパースター!!の、特にかのんさんの決断にかかわる重要な場面で起用されています。
ライブ直前の重要なシーンにすら起用されていますから、劇伴の分類としては「必殺技」タイプと言えるでしょう。あまり多くを考えずに聴いても、次第に盛り上がっていくそのメロディの荘厳さを楽しめる楽曲です。
どこが玄人向けかというと、起用される各シーンにおいて「なにが”好きだけじゃない”のか」「どこが”好きだけじゃない”のか」に関する考察の難易度です。
ここまでの劇伴を一通り見返すと、ある程度劇伴のタイトルとそのシーンの親和性の高さを感じることができると思います。しかしながら「好きだけじゃない」に関しては、そのタイトルがいささか抽象的であるということもあり、タイトルとシーンの連動についての考察の難易度がはるかに高くなっています。
1期6話以外の起用例を見てまいりましょう。
一体かのんさんおよびLiella!の各メンバーは、このシーンのなにに、どこに「好きだけじゃない」と感じているのでしょうか?
これを考えるのがまた楽しいったらならないんですよね。あえてこの劇伴が採用されている以上、きっとそこに意味はあるんだけど、その意味に辿り着くのが近いようで遠いんです。
でも、だからこそそこに思いを馳せる余地があって。自分の中でああでもない、こうでもないと解釈をつくり上げていく時間には何物にも代えがたい至福さがあります。
この問題に正解は定義されていません。是非皆さんもこの劇伴の採用基準について、自分なりの答えを探してみてください。
玄人編2:私を叶える物語
最後に紹介するのは、ラブライブ!スーパースター!!の物語における大テーマの名を冠した劇伴です。
まだ一度も耳にしたことがない方は、早速聴きに行く前にその音楽性がどんなものか一旦想像してみてくださると嬉しいです。
「さぞ力強くて迫力ある劇伴なんだろうな~!」「第二のメインテーマみたいな感じ!」「もしかして2期12話で流れてる”私のSymphony”のアレンジみたいな劇伴がこれかな?」
さあ想像はお済みですか?それでは、一旦記事を離れて聴きにいってみましょう!
...想像通りの劇伴だった方はどれだけいらっしゃったでしょうか。予想を裏切られた方が大半なのではないでしょうか?ちなみに私もそうでした。
劇伴「私を叶える物語」で繰り広げられるのは、一貫してか細くて、弱弱しくて、切なくて。心を締め付けられるような、そんなメロディです。
なぜこの劇伴はそのようなメロディを基調としているのでしょうか。作曲家の方は、どうして作品を代表するテーマの名前を冠した劇伴に、このようなメロディを乗せて我々に届けたのでしょうか。
私は、これが制作陣が考える「私を叶える物語」の本質であるからなのではないかと考えています。
「私を叶える物語」は、決してその輝きで誰もの心を揺さぶるような英雄譚ではないのです。むしろその真逆であるとすら定義できるものであると、この劇伴は語ります。
ラブライブ!スーパースター!!は、私たちに「叶える旅の残酷さ」を教えてくれる物語です。
いくら努力しても叶わない夢はある。
どれだけ想いが強かろうと、一度の過ちで、気づけばもう夢への道は閉ざされている。
夢を叶えるためには、自分の”大好き”に背を向けねばならぬときもある。
そんなラブライブ!スーパースター!!によって届けられる劇伴「私を叶える物語」。その切なさは、作中で彼女らが描いた「私を叶える物語」の軌道に大変似つかわしい楽曲となっているように思えます。
劇伴「私を叶える物語」は、ラブライブ!スーパースター!!が我々に伝えんとする物語の哲学を「音」として抽象化し、我々に教えてくれる、そんな楽曲なのではないかと思うのです。
おわりに
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
今回はスーパースター!!の劇伴音楽について、自分なりの切り口で解説してまいりました。お気に入りの楽曲は見つかりましたでしょうか?
スーパースター!!には、今回紹介したもの以外にも多くの素敵な劇伴音楽が存在します。これを機に、より多くの方が劇伴音楽に興味を持ってくださったら嬉しいです。
それでは皆さん、良き劇伴ライフを!