こんにちは。きらんです。
や~、終わっちゃいましたね、ラブライブ!スーパースター!!2期。
あまりにもあっという間の3ヶ月間でした。寂しいキモチもありつつも、同時に3rd LoveLive! Tourという「次の約束」に浮かれる日々です。
過去を大切にするためにも、未来をよきものにするためにも、まずは目の前に広がるいまに全力で向き合っていきたいな~と思っております。
待ち侘びた日は ああ...すぐ終わっちゃうね
はやく次の約束しよう
(「水しぶきのサイン」より)
さて、本題に入っていきたいと思います。今回の記事は最終話を迎えるにあたって気になった「WE WILL!!」という楽曲のメッセージ性についての妄想です。
◎動機
私は、ラブライブ!スーパースター!!2期の脚本については全面的に大満足です。めっちゃ面白かった。制作陣のみなさんに感謝です。
が、唯一気になったのが今回の記事のテーマの楽曲、「WE WILL!!」が12話で挿入された理由について。
「絶対負けない 勝つんだ!」という勝つことへの強いこだわりを感じさせる歌詞をもつこの楽曲ですが、2期終盤のストーリーでは勝つことよりもむしろかのんの「私を叶える物語」の動向にスポットが当てられており、この楽曲のテーマとアニメの内容が乖離しているように感じられました。
Twitterでも同様に感じている人をちらほら見かけており、個人的にまあまあモヤモヤしていたのですが、12話を繰り返し鑑賞しているうちに、この理由についてなんとなくヒントが得られた気がするのでここで書き散らかしてしまおうと思います。
今から話す内容は考察と呼ぶには根拠に乏しく、妄想の域を出ないものであるとだけご理解ください。
私は、「未来の音が聴こえる」は「WE WILL!!」のアンサーソングなのではないか、と考えます。
①笑顔のために
一緒に笑ってたい
まだ知らない世界知りたい
もっとね 笑顔でいてほしいから
はるか遠く目指すんだ
「WE WILL!!」と「未来の音が聴こえる」の歌詞を見比べると、対になるようなフレーズが実は結構あります。こちらはそのシリーズの最たる例です。
どちらのフレーズも「仲間の笑顔のために、まだ見ぬ場所へ」という共通したテーマを持っています。
でもそのまだ見ぬ場所に一緒に向かえるか、という点だけは異なるんですよね
一緒に笑えるどこかを目指しているのが前者の「WE WILL!!」の歌詞で、もっと笑顔でいてもらうためには一緒ではいられないと悟ったのが後者の「未来の音が聴こえる」の歌詞。しんどいね。
テーマも構図もほぼ同じ。ただ、その一部だけが作中でのLiella!の学びを反映したものに変化している。まさにアンサーの構造ではないでしょうか。
②「楽しい」と「未来」
「楽しい」を越えてさ
とことんまでがんばってみたい
一周回った未来
もっと楽しくなってるって
楽しいだけじゃもう越えられないね
だけど楽しさが背中押すんだ
大切な気持ち抱いて飛ぼうよ
未来の音がするよ
対になる歌詞シリーズからもうひとつ。「楽しい」との向き合い方、および「未来」の観測方法がこの二つのフレーズのテーマです。
「WE WILL!!」では越えたいと歌っている「楽しい」を、いざ越えたところで歌われているのが「未来の音が聴こえる」。
「だけど楽しいが背中押すんだ」のワンフレーズは、Liella!が望んだ楽しいの周回を、「もっと楽しくなってるって」の体現を成功させた意味合いをもっているのではないでしょうか。
また、この二曲は「未来」がひとつの大テーマになっていますが、この一節で「未来の見え方」がそれぞれ異なっていることが分かります。
「WE WILL!!」では「一周回った未来 もっと楽しくなってるって」という言い回し。これってあくまで未来が予知できているわけではなくて、こうなっていてほしいな~という希望的観測にすぎないと思うのです。
だから、既に確定した未来を表すBE GOING TOではなく、不確定な未来や予測を表すWILLが使われているのではないでしょうか。
対して「未来の音が聴こえる」では「未来の音がするよ」というタイトル回収が行われています。
「未来の音が聴こえる」って「未来が見える」と同様の意味だと思うんですよ。違いは使ってるのが聴覚か視覚ってだけ。ほとんど未来予知、ということです。
この考え方でいくと、「未来の音が聴こえる」で語られている未来は「WE WILL!!」のように「こうなっていてほしいな~」というものではなく「こうなります」というある種確定的なものなんですよね。
WILLではなくBE GOING TOな未来を語る楽曲が「未来の音が聴こえる」なのではないかと思うのです。
余談ですが、9人のLiella!が「TO BE CONTINUED」を歌えるのって、「未来の音が聴こえ」て未来のカタチがBE GOING TOに変化したから、”続いてゆく”未来を聴くことができたからだと思うんですよね。
「TO BE CONTINUED」って「BE GOING TO BE CONTINUED」なのではないでしょうか。
③風は巡って
最後にお話させていただくのは、両曲に共通して現れる概念である「風」について。
これは、根拠というよりは私が「未来の音が聴こえる」を「WE WILL!!」のアンサーソングであると思いたい理由です。
さあ戦うんだいま
僕らの風 巻き起こそう
自分のこと 少し信じられた日
風が吹いたんだ
「WE WILL!!」に登場する風は、恐らく「存在証明の風」です。ラブライブで勝ち上がることで、Liella!はこの風を巻き起こし、自分たちの名前を世に轟かせていきます。
「未来の音が聴こえる」に登場する風は、恐らく「チャンスの風」です。ウィーン国立音楽学校からの留学の提案、そんなチャンスの追い風に乗ることで、澁谷かのんさんは「世界に歌を響かせる」という自分の夢に大きく近づこうとしました。
この二つの風は、性質は異なるものの、結局は同じ風だと思うんですよね。
というのも、ウィーン国立音楽学校が澁谷かのんさんを見つけることができたのは、ひとえに彼女がLiella!の一員として起こした「存在証明の風」がウィーンに届いたから。彼女が世界に見つけてもらえるだけの努力をしたから。
澁谷かのんさんの「存在証明の風」を受け取ったウィーン国立学校が、その風に手紙を乗せて「チャンスの風」へと変化させただけ。
「未来の音が聴こえる」で吹いた風は、巡り巡ったLiella!の風だったのではないかと思うのです。
ラブライブ!スーパースター!!1期はよく「澁谷かのん立志編」だなんて例えられますね。それでは、2期っていったいどのような話だったと思いますか?
私は「努力とチャンス」がひとつの大テーマだったのではないかと思います。
「WE WILL!!」で巻き起こすことを誓った風が、「未来の音が聴こえる」でカタチを変えて自分のところに戻ってくる、そんな物語。
積み重ねてきた努力は、巡り巡っていつか自分の背中を押してくれる、そんなことを教えてくれる物語だと思うのです。
◎好きを好きでいるために
ここまでオタクの妄想にお付き合いいただきありがとうございました。
前述したとおり、だいぶ根拠に乏しくしょうもない文章でしたが、一部でも誰かの心に響いてたら嬉しいです。
さて、私はこの記事を書くに至ったきっかけとして「WE WILL!!」と12話のメッセージ性のつながりがわからなかったから、と述べさせていただきました。TLを見る限り、ラブライブ!スーパースター!!の物語を受け取って同じような感情を抱いている人たちがたくさんいるように思えます。
ただ、「わからない」まま放置している人があまりにも多い気がするんですよね。
それってすごくもったいないことだと思うんですよ。「好き」の伸びしろであるはずの「わからない」を、蔑ろにして「嫌い」に貶めてしまう。
「わからない」を放置することが悪いことであるとは言っていません。「わからない」が少なく「好き」だってダイレクトに感じさせてくれるアニメこそが面白いアニメだ、という論調も理解しているつもりです。
でも、もしあなたの心の中に「好き」の芽があるなら、それを大切にしていく方法もあるってことだけは知っておいてほしいと思うんです。
私のこの文章だって、「わからない」を「好き」に昇華するために考えた結果の産物です。誰にだって認めてもらえる考察が書けたとは微塵も思っていません。
ただ、自分の中で一つ落としどころをつくることができた。考えたことで「WE WILL!!」を(ついでに「未来の音が聴こえる」も)好きになれた。この結果だけで満足しています。
もしこの文章を読んでくれているあなたの「好き」の芽が、いまにも枯れそうになっているとしたら。枯らしたくないとしたら。
自分の「わからない」ともう一度だけ向き合ってみませんか。考えてもわからないなら、私も一緒に考えます。
ラブライブ!を大好きなみんなのキモチが、大きく育ちますように。私の願いはそれだけです。