きらんのShooting Voice!!

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「不可視」な「ブルー」?

毎日記事更新11日目!

こんにちは。きらんです。

毎日記事更新も今日で11日目。これを投稿しているということはあと残りの記事は5つ。ラストスパート、けっぱってまいりたいと思います。

それでは本題に入ってまいりましょう。今回紹介させていただくのは「不可視なブルー」。ユニットミニアルバムにおけるKALEIDOSCOREのB面曲です。

昨日はKALEIDOSCOREのA面曲である「ベロア」の記事を投稿させていただいております。こちらもぜひご覧ください。

kiran-ll.hatenablog.com

「不可視」な「ブルー」?

この楽曲のタイトルは「不可視なブルー」ですが、そもそもこれってなんだろう?ってところから話に入っていこうと思います。

「ブルー」というのは一般的には色の名前ですよね。でもそれが「不可視」らしいのです。

人間は基本的に色のことを視覚で判断します。なので、対象としている物体が見えないのにその色が分かるなんてことは普通ありえないわけですね。タイトルから叙述トリックだ。

そこで、私はここでいう「ブルー」は視覚的に判断する「色」ではなく「感情」のひとつなのではないかと考えました。

目には映らない気持ち

どんな風に告げよう

もしも君に伝えるなら

「不可視なブルー」より

この楽曲の冒頭のフレーズには、目には見えない気持ちを「君」に伝える方法に悩む主人公の姿が描かれています。この「目には見えない気持ち」こそが、タイトルで示されている「ブルー」なのではないでしょうか。

「ブルー」という単語が想起させる感情は、少なくとも前向きなものではないように思えます。悲哀、憂鬱、葛藤、諦観。この楽曲では、これらのような感情のいずれか、あるいはこれらの複合的な感情が「ブルー」として表現されていそうです。

向き合いたくない、でも向き合わされること

解像度やけに高くて

目を瞑った瞼

照らす車道のライト

ただ無邪気なままで

夢をみていたいのに

「不可視なブルー」より

この楽曲の中でも特に印象的に感じたフレーズのひとつです。

ここに綴られている「車道のライト」というフレーズは意味深であり、解釈が難しく感じられますが、私はひとつ「向き合いたくない、でも向き合わされること」の象徴がこの「車道のライト」なのではないかと考えます。

思い浮かべられる情景は、帰り道の通学路を歩く主人公。彼女(彼)は前項で示したようなブルーな感情を抱いており、その苦しさから目を背けるべく目を瞑ります。

目を瞑ることということは見ることをやめること。きっと主人公が目を瞑ったのは、目の前に広がる苦しい現実を直視したくないからだと思うのです。

それでも、目を瞑った視界の中にも入り込んでくる車道のライト。目を瞑れば景色は見えなくなりますが、それでも光の眩しさからは逃れられませんよね。どれだけ直視したくなくても、どうしようもなく見えてしまう存在の象徴として「車道のライト」は描かれているのではないでしょうか。

哀しい予感を振りほどかせてくれる「星」

哀しい予感振りほどく

瞳の中に星を見たから

君も抱いてるねSo Blue

どんな不思議な色してるの

もしも目に見えたら

「不可視なブルー」より

ここでは「哀しい予感」が「瞳の中に星を見た」ことをきっかけに振りほどかれようとしている様子が描かれています。

「哀しい予感」とは、前々項で語った「ブルー」の正体のひとつと考えられそうです。それでは「瞳の中に星を見た」とはどのようなことなのでしょうか。

これについて、まず瞳の中に星を浮かべていたのは誰なのかを考える必要があります。様々考えられますが、その後に「君も抱いてるねSo Blue」と続いていることを踏まえると、この歌詞の対象もまた「君」であると取れましょう。

瞳に星を浮かべていたのが「君」だとして、それでは「星」とは何なのでしょうか。

これを見たことで「君」も「Blue」を抱いていることが明らかになったわけですから、「星」が後ろ向きな性質を持っているのは間違いないでしょう。

しかしながら、主人公が「君」の中の「星」を見て「哀しい予感」を振りほどこうとしているのですから、前向きな性質も同時に含有していると言えそうです。

「星」は前向きな性質も後ろ向きな性質も併せ持つ複雑な存在なのです。だから、主人公はこれを「どんな不思議な色してるの もしも目に見えたら」と表現しているのでしょう。

「星」が何かについて、これ以上探求して具体的に定義をするのは困難を極めるでしょう。あえて私なりの意見を申し上げるのであれば、ここでいう「星」は「夢・目標」のことを指していると考えています。

根拠としたのは以下の一節です。

大好きな事には線を引く

傷つかないためのキリトリのライン

泣いたって仕方がない時もある

分かったんだ 分かりたくなかったよ

「不可視なブルー」より

ここでは「ブルー」が「大好きな事」から生まれていることが示唆されています。

「大好きな事」から生まれ、同時に「ブルー」をもたらす存在。また、他者がもつそれに触れたとき、自分に前向きな感情を、前に進もうとする気持ちを与えてくれる存在。これらの特徴の全てを「夢・目標」は持っています。

「夢・目標」という単語が「大好き」から生まれ、前向きな感情を我々にもたらしてくれるということは、ラブライブ!を履修している皆さんには言うまでもありません。そして「夢・目標」がそれを抱く人に「ブルー」をもたらすこともまた、ラブライブ!の物語で語られている通りです。

いっぱい悔しいこと乗りこえて 叶えたい夢

みんな ほら叶えよう

「追いかける夢の先で」より

楽しいだけじゃもう越えられないね

だけど楽しさが背中押すんだ

「未来の音が聴こえる」より

「こわくない未来 なんて楽しくないでしょ?」

「Second Sparkle」より

1番サビとラスサビにおける「君」の笑顔の違い

この楽曲の歌詞では、1番サビとラスサビのどちらにおいても「君」は笑顔を浮かべていますが、その前に主人公が取った挙動は正反対のものです。

主人公が取った挙動が違うということは、それを受けての「君」の笑顔の理由もまた異なるということです。この点について解釈し、この記事を締めさせていただこうと思います。

涙色に染められる

ぐっと飲み込んだ想いの数だけ

声にならず消えるSo Blue

ふと波のまにまに揺れて

君がまた笑った

「不可視なブルー」より

涙色に染められる

ぐっと飲み込んだ想いの数だけ

声にならず消えるSo Blue

ふと声に出せた瞬間

君がまた笑った

「不可視なブルー」より

1番サビでは、主人公は「Blue」を声に出して吐露することができませんでした。

ここで「君」が笑った理由については様々な解釈ができますが、私は「君」もまた主人公の瞳の中に星を見たからなのではないかと考えています。

「君」が笑う表現は1番サビで初めて登場していますが、”また”笑ったというこれまでも同様のことがあったことを示唆する言葉が使われています。

私は、ここで「君」が笑ったのは主人公の瞳に宿る「星」がまだ輝きを失っていないことを感じ取ったからではないかと思います。

主人公が「君」の中の「星」を見て安心したのと同様に、「君」もまた主人公の中の「星」を見て自信を奮い立たせていたのではないでしょうか。「君」は主人公よりも早い段階でお互いの瞳に「星」が宿っていることを感じ取っており、主人公の中の瞳を励みに自らの「ブルー」に向き合っていたのであると思うのです。

 

ラスサビにて、主人公は「Blue」をふと声に出して「君」に伝えることが叶います。

ここまで話してきたように、「君」はきっと主人公の「星」の輝きが続くこと、主人公の「夢・目標」がより良い方向に進むことを望んでいます。ずっと「ブルー」を抱えて苦しんでいた主人公がその想いを吐き出せたことは、きっと主人公のそれが進展することのサインでしょう。

ここで「君」が笑ったのは、主人公が自らの「星」を叶えるために一歩踏み出せたことへの喜びからではないかと思うのです。